スポーツ

2025.08.02 15:15

大谷翔平が変えた日本スポーツの熱狂、「球界の盟主」がドジャースとなった2024年

Photo by Harry How/Getty Images

日本スポーツ界の地盤沈下か、グローバル化未来への波か

ニールセンの調査では、「ファンの種類」を「コアファン」と「ファン」の2段階で定義している点にも注目したい。スポーツ・イベント・リーグのコアファンは、「非常に興味がある」と答えた人で、ファンは「非常に興味がある」または「興味がある」と答えた人 。一方、チームの場合、コアファンは「一番好きなチーム」と答えた人、ファンは「一番好きなチーム」もしくは「気にしているチーム」と答えた人(コアファン+サポーター)と定義されている 。

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この定義の違いは、スポーツチームのマーケティング戦略において重要だ。例えば、ドジャースのファン率は33%だが、コアファン率は23%と高い 。これは、ドジャースに関心を持つ層の多くが、単なる「興味がある」というレベルを超え、「一番好き」と断言するほどの熱狂的なファンであることが示唆される。このようなコアファンは、チームへのエンゲージメントが高く、グッズ購入、チケット購入、有料コンテンツ視聴など、直接的な収益に貢献する可能性が高い。

読売ジャイアンツや阪神タイガースのようなNPBの伝統的な強豪チームは、ファン率とコアファン率の差が比較的小さい傾向にある 。これは、長年の歴史の中で築き上げられた強固なファンベースがあり、熱狂的な支持者が安定して存在することを示している。新規ファンの獲得も重要だが、既存のコアファンをいかに維持し、そのロイヤリティを高めていくかが、これらのチームの安定経営の鍵となるだろう。

マーケティング担当者は、ファン層を「コアファン」と「サポーター(気にしているファン)」に細分化して分析することで、それぞれに最適なアプローチを検討できる。コアファンに対しては、限定イベントや高額グッズ、メンバーシップ特典など、より深いエンゲージメントを促す施策が有効だろう。一方で、サポーター層に対しては、SNSでの情報発信、ライトなイベント参加機会の提供、手頃なグッズ展開などを通じ、徐々にコアファンへと引き上げていく戦略が求められる。

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