「ドメインスクワット」などの怪しい事業も
パブロフスキーが過去に所有していたポルノ系ドメインの多くは、彼が2000年代初頭に立ち上げた「Jokeroo」というビジネスと関連している。このビジネスは、すでに存在していないが、当時は原始的なSNSとブログサイトを運営しており、他にも多数のウェブサイトを運営していた。また、その中にはドメインスクワット(有名サイトのスペルミスドメインを使ってトラフィックを吸い取る手法)のサイトも含まれていた。Jokerooが所有していたこの種のサイトのひとつが「britebart.com」で、これは保守系ニュースサイト「breitbart.com」のスペルミスと見られる。また、カナダ出身のミルネスも一時期、「buyamericanonly.com」というドメインを保有していた。
北マケドニアのコズミック・ディベロップメントは、もともとITアウトソーシング企業として設立され、米国の「America’s Funniest Home Videos」や「ScaryMommy」といったサイト向けにクリックベイト的なコンテンツを制作することで業績を伸ばした。クリックベイトとは、扇動的または誇張した記事タイトル、いわば“釣り”タイトルでユーザーの流入を狙うコンテンツを指す。
同社は、北マケドニアのビトラやセルビアのベオグラード、カナダのトロントにもオフィスを開設した(同社で2022年から2023年に勤務していたある従業員は、リンクトインの投稿で、自らの仕事が、「コンテンツが盗用されたものや、完全にAIで作られたものではないことを確認することだった」と記していた)。
ランブル、トゥルース・ソーシャル、トランプ陣営の連携
2013年、パブロフスキーはYouTubeの競合を目指す動画プラットフォーム「ランブル」を設立し、ミルネスが取締役に就任した。2021年にJ.D.バンスとピーター・ティールが出資した数年後、ランブルとその幹部たちはトランプ寄りの政治グループとの関係を深めたが、この動きは一部の投資家の不満を招いた。
その後、ランブルとトランプ陣営との関係は一層強化された。2021年に、TMTGがトランプが出演していたリアリティ番組『アプレンティス』の出場者2人によって設立された際、パブロフスキーは、トランプ本人とその側近(現首席補佐官のスージー・ワイルズや、現FBI副長官のダン・ボンジーノらを含む)との会合に招かれた。そして、パブロフスキーの推薦により、TMTGはコズミック・ディベロップメントのウラジミール・ノヴァチキCTOを採用した。その際に、あるトランプ派の下院議員が、ノヴァチキのビザ取得を迅速化するよう個人的に介入したと報じられている(議員側は便宜供与を否定している)。
2022年、トゥルース・ソーシャルのサービス開始から数カ月後、TMTGはデータホスティングを「ランブル・クラウド」へ移行すると発表した(プレスリリースでは、ネットワークを「検閲不能な新たな高みへと押し上げる」と謳っていた)。さらに、トゥルース・ソーシャルはランブル独自の広告プラットフォームを最初に利用するパブリッシャーになると発表し、パブロフスキーの新たな広告・ホスティング事業にとって重要な取引先となった。
他国政府との連携にも乗り出す
ここ最近、パブロフスキーとランブルは、野心をさらに広げて、他国の政府との連携にも乗り出している。昨年、パブロフスキーとトゥルース・ソーシャルのデヴィン・ヌネスCEO、そして商務長官のハワード・ルトニックらは、北マケドニアを訪れて、右派の首相にデータホスティング契約を売り込んだ。
北マケドニアは、米国と同様に非同意の親密な画像の公開を禁じている。同国の政府は2021年、テレグラム上で女性や少女の非同意の画像が拡散されたことを受け、同アプリの禁止を警告していた。
一方で、トランプとパブロフスキー、そしてランブルとの関係は現在も続いている。トランプは、今月初めのある法案の署名式のスピーチの途中で、パブロフスキーの名前を呼んでいた。その模様を収めたビデオを、パブロフスキーはXに投稿した。
Thank you Mr President for your amazing leadership and everything you’ve done.
— Chris Pavlovski 🏴☠️ (@chrispavlovski) July 18, 2025
It’s been an honor to fight alongside with you.
The GENIUS Act will unleash the golden age. pic.twitter.com/4v1C4wO03A
「ところでランブルはどうなんだ? うまくいってるか?」と壇上のトランプが尋ねると、客席に居たパブロフスキーは「順調です」と答えた。それを受けてトランプは、「それは良かった。ランブルが順調なら、トゥルース・ソーシャルも順調ということだ。素晴らしい。君はよくやっている」と語った。


