「内部からの反発」に新生パラマウントはどう対処する?
スティーヴン・コルベアの番組打ち切りに、トランプ政権が直接関与していたかどうかは定かでない。だが、政治風刺ニュース番組『ザ・デイリー・ショー』での司会者ジョン・スチュワートの反応や、深夜番組の業界全体がコルベアを擁護して団結した様子を見れば、誰の責任であれ、トランプ政権にその「罪」を忘れさせまいとする長期的なキャンペーンの種がまかれたことは明らかだ。
風刺コメディアニメの『サウスパーク』に至っては、全裸のトランプを模したキャラクターを登場させるという信じがたい最新エピソードを放送した。しかもこれは、ここ数週間の騒動が起きる前に企画・制作されたものだった。次は一体何をオンエアするのだろうか?
そして、新生パラマウントの「ファミリー」内部の人々が、トランプ政権だけでなく自社の経営陣に対しても批判を始めたら、彼らはどう対応するのか? 映画『ゴッドファーザー』で、ソニー・コルレオーネがマイケルに「親父を殺しかけたことに関して、個人的に怒りすぎているんじゃないか」と言ったとき、マイケルは復讐計画について「これは個人的な話じゃない。ビジネスだ」と答えていた。
しかし、果たしてこれと同じことがパラマウントでも言えるだろうか?
筆者自身の経験から言えば、自分の部下や同僚から絶え間なく冗談のネタにされるのは、相当辛いことだ。筆者がNBCに務めていた時代に、過激な発言で知られたコメンテーターのドン・アイマス(彼の番組はMSNBCで同時放送されていた)が、NBCニュースの幹部をオンエアで激しくこき下ろしたことがあった。幹部は取り乱し、怒りを爆発させた。筆者は、その火消しに奔走したが、その姿は見るに堪えないものだった。
業界の有名人であるエリソン親子が、今後のパラマウントの資産や人材に関する動きに関して、内部からの激しい批判にさらされることは想像に難くない。そのときに求められるのは、かなりの打たれ強さだ。そして、その時が来れば、ワシントンからの苦情の電話を受けるチームが総出で火消しに追われることになるだろう。
(forbes.com 原文)


