第1号となる施設を2006年、ケンタッキー州ルイビルに開業した21c ミュージアム・ホテルは現在、全米各地で複数のホテルを運営。合わせて約7430平方メートルの展示スペースで、無料で作品を公開している。
アーカンソー州ベントンビルにあるホテルでは、ラウンジを地域のクリエイターたちのためのポップアップ・ギャラリーにしているほか、 オハイオ州シンシナティの施設では常時、インスタレーションを展示している。
ミズーリ州カンザスシティの21c ミュージアム・ホテル(現在はヒルトンホテルが運営)では、アーティストのパティ・キャロルがイマーシブなインスタレーションとして、「パンサールーム」と名付けたスイートルームを制作、展示にとどまらない取り組みを実現した。スタイツによると、創造性を駆り立てるのは、「非営利団体ではないという制約」だという。
クリエイティブ・エコノミ―(創造経済)
グランドハイアットとSLS、ローズウッドで構成されるリゾート、バハマの首都ナッソーにあるBaha Mar(バハ マール)は、面積およそ405ヘクタールの敷地につくられている。
その芸術・文化担当エグゼクティブディレクター、ジョン・コックスの仕事は、アートのキュレーションにとどまるものではない。文化的要素を経済活動の基盤として活用するための方法を生み出している。つまり、キュレーターとして、インキュベーターとして、さらには異なる産業間の「触媒」として機能している。
このリゾートの開発を手掛けていたデベロッパーは2015年、財政面の問題によりプロジェクトから撤退。リゾートのアートプログラムはアーティストとキュレーターが担当するという計画も、危機に直面した。
だが、コックスはリゾートのアイデンティティとして前面に押し出すのに「最適」なのは、地元のアートだと訴え、リゾートの新たなオーナーたちを説得。計画の続行を実現させた。
「ここでは、アートは合板ではありません。インフラなのです」と語るコックスは、「ビジネスの世界は、『通貨』に関する理解の幅を広げなければなりません」と主張している。


