ドナルド・トランプ米大統領はこのほど訪問先の英スコットランドのゴルフ場でプレーした際、装甲を施したとみられる小型の改造車両を持ち込んだ。一部で「ゴルフフォース・ワン」と呼ばれているこの車両について、ホワイトハウスは大統領一行用の「特別車両」だと認めた。
謎の黒い車両の正体
トランプは27日、スコットランドで自身の所有するゴルフ場「トランプ・ターンベリー」でプレー中、ごく普通の白いゴルフカートに乗っているところを撮影された。その後方で、側面をドアと暗色の窓で完全に覆った防護強化仕様とみられる黒いバギーが目撃された。
ホワイトハウスの報道官はフォーブスの取材に対し、黒い車両は「大統領専用の特別車両群の一両」だと認めた。ただ、今後の訪問でゴルフ場を訪れる際にも、この車を毎回持ち込むのかについてはコメントを控えた。
この車両は米ポラリスのオフロード車「レンジャー」のXシリーズとみられている。同社は米軍事メディアのウォーゾーンに、車両は自社で製造したものと確認する一方、改造は別の業者によるものだと説明している。
NEW: Armor plated ‘Golf Force One’ spotted with President Trump at the golf course.
— Collin Rugg (@CollinRugg) July 27, 2025
Additional security measures are being deployed to protect Trump, even on the golf course, according to the Telegraph.
“Mr Trump’s team deployed an additional security measure in the form of a… pic.twitter.com/gxiEjL1sx0
フォーブスは、大統領警護隊(シークレットサービス)とポラリスにコメントを求めている。
装甲が追加されているとわかる特徴
英紙テレグラフは複数の専門家の見方として、この車両には装甲化の形跡がいくつか認められると伝えている。
公人や富裕層向けに防護強化車両サービスを手がけるアーマード・カー・サービシズの経営者、ゲアリー・レルフによると、フロントガラスの周囲に見える黒い帯がその一例だという。警察関係の別の専門家も、フロントガラスのほか、サイドパネル、ドア、荷台の上にある大きな後部パネルに着目し、装甲が追加されているのは間違いないと断言している。攻撃用の車両ではないとも指摘している。
2カ月で2回の暗殺未遂
トランプは1年近く前、米フロリダ州ウェストパームビーチの自身のゴルフ場で暗殺未遂に遭った。検察当局によると2024年9月、当時共和党の大統領候補だったトランプが「トランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ」でプレーしていた時、トランプの警護担当者のひとりにライアン・ウェズリー・ラウス被告(当時58)がライフルを向けているのをシークレットサービスが見つけ、発砲した。ラウスは車に乗って逃走したが、のちに逮捕された。



