欧州

2025.07.30 13:00

ウクライナ軍で戦場ロボットが急増中 多用途無人車両TerMIT、年内に2000両生産

重機関銃を搭載したウクライナ製無人車両「TerMIT(テルミット)」。ウクライナ海兵隊第36独立海兵旅団が2025年4月に通信アプリ「テレグラム」に投稿した動画より

ボイルはこのほか、ウクライナに新規株式公開(IPO)市場が存在しないこと、ウクライナ政府による資本輸出規制や実質的な価格統制にも言及している。加えて、軍事調達での汚職という悪評もある。

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「ウクライナ政府には、こうした障壁を減らすためにできることがたくさんあるはずですが、この3年間にとられた対策はもどかしいほど少ないのが実情です」とボイルは不満をこぼす。「そのため、この国に民間資本はほとんど流れ込んでいません」

ボイルの話は、ウクライナの多くの防衛企業が募金活動に支えられ、ボランティアによって運営される小規模な事業体である理由の一端を説明している。MITSのような組織はこうした状況を変える手助けになるものの、そのためには資金を求める企業が基準を満たす必要がある。

MITSキャピタルの共同創業者であるデニス・ギュラック最高投資責任者(CIO)は「わたしたちはテンコアと半年にわたって協力し、厳格なデューデリジェンス(資産査定)を行いました」と明かす。「同社はわたしたちの指標をすべて上回っています」

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ギュラックによると、テンコアの創業メンバーのうち2人は工場建設に関して広範で国際的な知見を持っており、この点は急速な生産拡大を目指す企業に投資するうえで重要な要素だった。MITSからの投資資金を得て、テンコアはテルミットを試作段階から認証された最終製品に急ピッチで移行させ、満足度の高い大きなユーザー基盤を築いた。

CEOのバシリチェンコは「UGVはもはやニッチな任務のためのツールではありません」と述べる。「現在では兵站や襲撃、後送、偵察に欠かせないアセットになっています。その急速な成長は、戦場での需要、草の根の技術開発、実験に対する軍の開かれた姿勢を反映しています」

低コストUGVでも世界をリード

ロシアはFPVドローンの開発ではウクライナと互角で、生産も同じくらいのペースで拡大し、サーマルイメージング(熱画像)カメラ搭載型や光ファイバー通信型といった分野ではむしろ先行している。他方、地上ロボットは、本来はロシアが優位に立っていてもおかしくない領域だが、ウクライナが先を行っている。

この戦争の前、ロシアはいくつか注目に値するUGVを擁することで知られていた。2018年にシリアでの戦闘に広く投入された「ウラン-9」、高度なAI(人工知能)を搭載していると喧伝された「マルケル(マーカー)」などだ。ウクライナよりはるかに巨額の投資資金を利用できるロシアの防衛産業は、これらの技術を有効な戦闘機材に転換できたはずだった。

だが、現実にはそうなっていない。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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