2025.08.17 14:15

マリーナベイ・サンズ「超高級リゾート開発」 20年先を見据えた投資の全貌

マリーナベイ・サンズの隣に新たな超高級リゾートが誕生する。(C)Marina Bay Sands

デザイン性の高い建物を生み出しつつ、自然光を取り入れることで、照明によるエネルギー消費を削減するなど、機能的かつサステナブルさでも知られるサフディ氏は、現代のルネッサンスともいうべき「人文主義的」アプローチをとる。

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シンガポールや東京という都市は様々な意味で密度が高く、そこに自然と触れ合う要素や空気の通り道を作ることが重要だ、と語り、それは期せずとも、シンガポールで建築の際に信じられている「風水」の考えとも類似していると言える。彼が捉える未来の自然と人との関わりが表現された、シンガポールらしい建築デザインにも注目したい。

マリーナベイサンズ右隣のドームとタワーが今回着工し、2031年に完成予定のIR2のイメージだ。
マリーナベイ・サンズ右隣のドームとタワーが今回着工し、2030年に完成予定のイメージだ。

新しいプロジェクトが始まるからこそ、既存のマリーナベイ・サンズ自体も新たな装いに生まれ変わった。新しい時代の富裕層の志向に合わせ、2022年から3年間をかけて17億5000万米ドルを投じたリノベーションを今年5月に完了した。

目玉は、35階以上の高層階370室を、360平米・一泊3万5000シンガポールドル(約350万円)のプレジデンシャルスイートを含む「ザ・パイザコレクション」に改築したこと。そこには、370室に対し約160人のバトラーがいるという。ほとんどの部屋が全室スイートに改装されより広い空間を確保した。

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また、食のシーンも進化。今年7月には、失われかけた伝統料理を復活させ、25年もので3kgにもおよぶ南アフリカ産の巨大な鮑や、北海道産のナマコ、雲南省の松茸をはじめとする貴重なキノコなど、極上の食材を使ったウルトララグジュアリーな広東料理「Jin Ting Wan(ジンティンワン)」がオープン。

日本人セレブリティシェフ、和久田哲也氏によるモダン日本料理「Waku Ghin(ワクギン)」、ウルフギャング・パック氏による高級ステーキハウス「CUT by Wolfgang Puck」と並ぶ、中国料理のハイエンドレストランとなる。

プライバシーが守られたエクスクルーシブさ、自然とのつながりを感じる広い空間、効率的で分かりやすい導線、上質なエンターテイメントと食など、シンガポールで着工した新たな超高級リゾート開発は、新時代のラグジュアリーの方向性へのキーワードが散りばめられたものとなりそうだ。

文・写真(一部)=仲山 今日子

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