今回のプロジェクトも、マリーナベイ・サンズ同様に世界的な建築家、モシェ・サフディ氏が建物の設計を手がける。「スペースがないなら、屋上にプールをつくればいい」として設けられた57階、地上200mの高さにあるインフィニティプールはセンセーションを巻き起こし、世界中で追随するデザインが生まれた。
新たなプロジェクトに関してサフディ氏は「マリーナベイ・サンズの拡張ではなく、全く違うコンセプトの新しいエリアが誕生する」と強調する。よりエクスクルーシブで、屋上展望台「スカイループ」以外、滞在客以外は基本的に建物内に足を踏み入れることはできず、プライバシーにも配慮されている。
マリーナベイ・サンズよりもさらに高層の245mだが、55階に減らし、その分天井を高く取り、部屋はエントリーレベルでも100平米という広さ。「どこにいても、空や植物など、自然を身近に感じることが大切」というサフディ氏の思いから、それぞれの部屋に庭があるという。マリーナベイ・サンズのシグネチャーである屋上のインフィニティプールは2段となり、よりユニークさを打ち出した形となっている。
アリーナを手がけるのは、関西国際空港や神戸スタジアムなど、過去7年間に世界5カ国で15のアリーナやスタジアムを手掛けてきたポピュラス(POPULOUS)のアンドリュー・トゥーレン氏。
「テクノロジーを駆使して、ステージがより間近に、リアルな迫力を感じられるようなシステムを作り、導線に関しては、サフディ氏のチームと連携し、人が動きやすく、どこにいるかがはっきりとわかる作りにする。イベント後の人の渋滞も緩和できるはずだ」と、よりエキサイティングかつ効率的なアリーナづくりを掲げる。
シンガポールは公共交通機関が発達していることで知られるが、アリーナも地下鉄の駅と直結しており、サフディ氏は「私の建築は常に理想とする社会やライフスタイルへの提案でもある。車の時代にはもうサヨナラだ。人がスムーズに行き来ができるようなシステム自体を作りたい」と笑顔で語っていた。


