一方、テスラは現在、オースティンの一部地域で「監視付き」のロボタクシーを運行中だが、車両にはトラブル発生時に対応するための人間の技術者が助手席に同乗している。同社の車両は、これまでに左折時の不具合や駐車車両への接触、列車の接近時に踏切で停止しなかった事例などが報告されている。
テスラはサンフランシスコでもテストを行っているが、カリフォルニア州のロボタクシー運行許可を取得していないため、人間の安全監視技術者を同乗させている(同社は現在、州の自動車局から虚偽広告の疑いで訴えられており、オートパイロットおよび「フルセルフドライビング」ソフトの能力を誇張していたという容疑に関して、州行政審判所の判断を待っている状態だ)。
テスラは、ロボタクシーの商用展開でほとんど進展がないにもかかわらず、マスクは先週も、自社がこの技術で世界をリードしていると主張した。テスラは、ウェイモを含むほとんどの競合他社や自動運転技術の専門家が「安全性の確保のために不可欠」と考えるレーザーLiDARやレーダーを使用せず、カメラのみの視覚システムに頼っている。
「テスラは実世界のAIにおいて世界最高の会社だ」とマスクは先週の決算説明会で述べていた。「そのことは、ウェイモを見てみれば明らかだ。ウェイモの車は神のみぞ知るほど多くのセンサーを搭載している。グーグルはAIが得意なはずだが、実世界のAIが得意ではない。テスラのほうがグーグルよりはるかに優れている」と彼は述べていた。
レンタカー会社のAvisは、ダラスにおけるウェイモのロボタクシーの充電や清掃のほか、基本的な整備を担う予定だとされている。


