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2025.07.30 18:00

「やりたいことリスト」は意外な負担に? 「達成したことリスト」を作るべき3つの理由

Shutterstock.com

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人生を振り返るとき、やらなかったことや達成できなかった目標を思い浮かべ、後悔することがよくあるだろうか。多くの人は「今頃はもっと進んでいたはずなのに」と恥じ入ったり不安になったりするが、こうした自分で自分に課したタイムラインは自身を傷つけるだけだ。

自分にプレッシャーをかけてしまう「やりたいことリスト」

私たちの多くは「死ぬまでにやりたいことリスト」を作成し、あなたはおそらくそのうちのいくつかをすでに達成しているだろう。にもかかわらず、あなたは行き詰まりを感じている。仮想の自分と比較し、それが今の自分との向き合い方に重くのしかかっている。

現代生活の過酷なペースはこうしたプレッシャーに拍車をかけるばかりだ。興味深いことに、前進するための最も強力な方法の1つは、判断するのではなく、意図と思いやりをもって振り返る時間をとることだと研究で示されている。

有意義な体験を「意図的に思い返す」ことがウェルビーイングと回復力を高める

専門誌『Journal of Happiness Studies(ジャーナル・オブ・ハッピネス・スタディーズ)』に掲載された2部構成の研究では、鮮明な心的イメージを描きながら「ポジティブな回想」を定期的に行っている人は幸福度が高く、有意義な瞬間を味わう能力が高いことが示された。このような人は、現在だけに意識を向けたり、思い出の品に頼ったりする人よりも幸福度が高かった。

つまり、過去の有意義な体験を「意図的に思い返す」ことで、ウェルビーイングと回復力を高める感情的なリソースを活性化できるとみられる(単に自然に思い出すこととは異なる)。

これが「達成したことリスト」作成の背後にある考え方だ。やり残したことに執着するのではなく、過去のポジティブな思い出や成果を思い出すことでこれまでの人生を俯瞰できる。感謝の念を抱き、主体性を取り戻し、人生の方向性を穏やかに再調整するよう促す。

「達成したことリスト」作成では、感情面での拠り所だけでなく、より明確で力強い今後の進路が得られる。小さいながらも考え方を大きく転換させる3つの理由を紹介する。

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翻訳=溝口慈子

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