1. 人生の豊かさに気づく
意図せずして私たちは人生に欠けているものに目を向けがちだ。訪れたことのない場所、まだ達成できていない目標、なりたい自分などの長いリストを常に考えてしまう。
そのため、死ぬまでにやりたいことリストはエキサイティングなものではあるが、将来ばかりに注意を向けるこのような考え方ではすでに自分が得たものには目を向けず、やり残したことの寄せ集めになってしまう。
興味深いことに、2022年の研究によると、死ぬまでにやりたいことリストは死に対する恐怖をコントロールしたいという無意識のニーズによって形成されることが多い。これはやる気を起こさせるものの、不安や、常につきまとう「十分」ではないという感覚を容易に引き起こすこともある。
一方、達成したことリストでは、これまでの人生において意味のあったことに注意が向く。それらに注意を払うことで、これまでの経験や人生を本当に豊かにしてくれた瞬間を振り返ることができる。
そうした経験や瞬間は、困難なときに自分1人で頑張ったことだったり、自分をうまく落ち着かせる方法を獲得したことだったり、単に以前よりも強くなったことだったりする。このような瞬間は通常、目標の一覧表に載ることはないが、様々な意味で最も決定的なものであり、人生の真の進化をとらえている。
このように来し方に思いを馳せると、私たちはすでに可能な範囲で最高の自分になりつつあることを思い出させてくれる。
2. アイデンティティを確固たるものにする
記憶は、あなたのアイデンティティの足掛かりだ。自分がどんな人間だったか、何を大切にしてきたか、どのように成長してきたかを思い出させてくれる。前向きな回想は自分自身のストーリーと再びつながり、そこに強さを見出す方法だ。
2013年の研究では、自分のアイデンティティを振り返り、社会との絆を強め、あるいは将来の決断を導くために記憶を積極的に活用している人は、目的意識や前向きな人間関係、心理的ウェルビーイングの水準が高いことが明らかになった。この調査結果は、記憶が単なる過去の記録ではないことを裏付けている。記憶は現在の自分に対する見方や関わり方を形成するツールとなり得る。
そして、達成したことリストを書き留めることは、「困難なことに対処してきた」「変化の中で生きてきた」「自分にとって重要なことを見つけた」などと、自分の生き様を強化する方法だ。 だからこそ、理論よりも実践に基づいている。
常に全力投球する文化は常に「新しい自分」になるよう促すが、自分が何者であるかを思い出すことには大きな力がある。


