キャリア

2025.07.30 11:00

AIに仕事を奪われる時に備えよ、「変化に強い人材」になるためのキャリア構築3ステップ

Shutterstock.com

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これまで、キャリアの構築とは、はしごを上るようなものだった。分野を決め、専門性を磨き、上のレベルへと進んでいく。しかし、産業が破壊的に変化し、スキルの寿命が短くなっている今日の世界において、キャリア形成はもはや一本道ではない。それは、成長、安定、衰退というサイクルを繰り返しながら進んでいくものだ。

今日におけるキャリア管理とは、一つのサイクルから次のサイクルへと、何度も転換を繰り返す方法を学ぶことを意味する。

ステップ1:自分のキャリアのサイクルを知る

どの分野や職務であっても、すべてのキャリアには始まりとピーク、そして終わりがある。そう、たとえ今が順調に感じられても、それはいつか終わる。終わりが来ることは、「もし」ではなく「いつ」の問題だ。かつての仕事の世界では、一つのキャリアパスが数十年も続いたが、現代では数年で終わってもおかしくない。

55歳でキャリアの成長期を迎えることもあれば、35歳でキャリアの衰退期に突入することもある。それはあなたのパフォーマンスのせいではなく、あなたの仕事、スキル、さらには業界自体が変化したせいだ。

例えば、ChatGPTやその他のAIツールが普及すると、企業は定型的なプログラミング業務の自動化を開始し、その結果として、学位を取得したばかりといった若手のプログラマーたちを解雇した。彼らには何の落ち度もない。仕事の方が、彼らを上回るスピードで進化してしまったのだ。そして同様のことは、今後も起こるだろう。

これが新しい現実だ。キャリアサイクルの変化を認識し、それを個人的な失敗と見誤らないことが、前進するための第一歩となる。自分がそのサイクルのどこにいるかを把握することが、戦略的な優位性につながる。

ステップ2:適切なツールを活用する

今日のキャリアを巡る状況を切り抜けていくには、才能や肩書だけでは不十分だ。キャリアのライフサイクルを通じて、次の3つのツールを活用することが重要となる。

1. 人脈づくり:「職探しのため」では遅すぎる

人脈は、キャリアが衰退し始めてからではなく、安定している時にこそ築くべきだ。そうしておくとキャリア転換の時期が来た際に、人脈が早期警戒システムとなり、学びの拠点となり、次のステップへの出発点となる。また、新しい機会の方から、あなたを見つけてもらえるようになる。

キャリアを大きく左右する重要な話は、当人のいない場所で交わされるものだ。誰かが「こういう人材を知らないか」と尋ねた時、あなたの名前が挙がるようにしたい。

そのためには、その場にいる人々があなた自身についてと、あなたが何を提供できるかを知っている必要がある。だからこそ、人脈は必要になる前に築いておくべきなのだ。

状況が安定しているあいだに、所属する組織や業界の内外で、ネットワークを広げておこう。連絡を絶やさず、自分が取り組んでいることを共有しよう。そうすることで、あなたは人々の視界に入り続け、あなたの提供する価値を思い出してもらえる。その結果、適切な機会が訪れた時に、あなたのもとに連絡が来るはずだ。

LinkedIn(リンクトイン)でも、元同僚たちがつながりを維持し、難しいクライアント交渉の対処法や変化する市場ニーズへの対応をはじめ、チームの成功、業界のトレンドなどについて、洞察を共有しているのをよく見かける。こうした定期的で打ち解けたやり取りを通じてネットワークを生かし続けておくと、新しい機会が巡ってきた際に、自分のことを最初に思い出してもらえるだろう。

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翻訳=高橋朋子/ガリレオ

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