声を上げるべき時と場所を知る
どんなときでも自分を主張していい、というわけではない。コツは、自分の声が最も大きな影響を及ぼせるタイミングを知ることだ。
ある大手コンサルティング会社のプロジェクト責任者によれば、彼は以前、議論が終わるのを待ってから話し合いに参加していたという。それが礼儀正しいやり方だと思っていたからだ。ところがそのせいで、この人は関心がないのだと見られていた。彼は最終的に上司から、リーダーとして見られたいのなら、議論の早い段階から存在感を示すべきだ、と指摘された。そこで方針を変え、すぐに議論に飛びこみ、早い段階で見解を言うようにしてみたところ、すべてが変わったという。
タイミングは重要だ。長く待ちすぎると、会話が先へ進んでしまう。しかし状況を十分把握しないまま、早すぎるタイミングで飛びこむと、発言しても価値を付加できないリスクがある。スイートスポットは、重要な洞察が提示されたあと、議論がそこからほかへと移る前だ。そのタイミングなら、あなたの意見が重みをもつ。
また、自分の意見を声高に言うことと、効果的に話すことは違う。とりとめのない発言だと、あなたを目立たせることはできない。記憶に残るのは、簡潔さと明快さを兼ね備えた発言だ。
あるセールスディレクターは、キャリアをスタートさせた時点では、貢献とはたくさん発言することだと思っていたという。だが時とともに、その場で最も尊重されるのは、インパクトをもって簡潔に話す人だと気づいた。「的確な1文は、5分の埋め草よりも価値があります」と彼女は言っていた。
自分の名を、成果と結びつける
結局のところ、出世する人は必ずしも、最も有能な人というわけではない。それは、自分の貢献を確実に見てもらい、聞いてもらうことで、自分を成果と結びつけた人なのだ。フェアではないと思うかもしれないが、それが現実だ。
これは、最も大きな声を出せばいい、ということではない。成功するためには価値を付加するかたちで、一貫して目立つ必要がある。
例えば、あるテック系企業のプロダクトマネージャーによれば、彼が最大の昇進を手にしたのは、重要なプロジェクトを完遂したからではなく、幹部がすでに彼の名を「強固な実行力」と結びつけていたからだという。彼は大がかりな計画に取り組むたびに、達成した節目を伝え、関係者にはたらきかけ、自分の貢献を常に意識してもらえるようにしていた。リーダーシップの役職が空席になった時点ですでに、彼は当然の候補になっていた。それは、必ずしも最も有能だったからではなく、彼が最も目立っていたからだ。
職場で声を上げるのは、エゴとは関係ない。むしろ、キャリアの持続可能性に関係している。認めてもらうために闘う必要はないが、たいていの職場では、何もしなくても自動的に目立てるわけではない。自分の仕事を周囲に知らしめなければ、自分の将来は運まかせになってしまう。早いうちに「目立つスキル」を磨けば、そのぶんキャリアの進展が早まるはずだ。


