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2025.07.29 08:00

『サウスパーク』の原作者2人がビリオネアに、資産はそれぞれ1800億円

『サウスパーク』のクリエイターであるトレイ・パーカー(写真右)とマット・ストーン(同左)

『サウスパーク』のクリエイターであるトレイ・パーカー(写真右)とマット・ストーン(同左)

『サウスパーク』のクリエイターであるトレイ・パーカー(55)とマット・ストーン(54)を怒らせた企業は、金銭面で打撃を被るだけでなく、番組内で風刺のネタにされる。

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「サウスパーク」放送延期、風刺で報復するパーカーとストーン

ここ数カ月にわたってパラマウントは、映画製作会社スカイダンス・メディアによる同社の買収をめぐって、トランプ政権下の規制当局の承認を得るのに苦戦していた。その最中、『サウスパーク』配信元のケーブル局「コメディ・セントラル」は7月2日、同番組のシーズン27の放送開始を延期した。これは、同局の親会社パラマウントと2人の間で、ストリーミング権の交渉が難航したことを受けたものだ。会社の買収という大きな動きによって交渉が遅れたという側面もあり、2人は同日X(旧ツイッター)の投稿で不満をぶちまけた。「この合併はクソみたいな状況だ。『サウスパーク』をぶち壊している」。

5年間で総額2220億円のストリーミング契約

しかし先週、これらの取引は決着した。パーカーとストーンは21日、5年間で総額15億ドル(約2220億円。1ドル=148円換算)というストリーミング契約に合意し、『サウスパーク』はパラマウント傘下のストリーミングサービス「Paramount+」で世界的に配信されることとなった。この契約により、パーカーとストーンは、ハリウッドで最も高額な報酬を受け取るテレビ番組の制作責任者となり、それぞれが推定12億ドル(約1776億円)の資産を持つビリオネアとなった。そして24日に米連邦通信委員会(FCC)は、スカイダンスによるパラマウントの買収を正式に承認した。

だが、2人に毎年少なくとも2億5000万ドル(約370億円)を支払う今回の新契約によっても、パラマウントの頭痛のタネが消えたわけではない。23日に放送された『サウスパーク』のシーズン27の第1話では、ドナルド・トランプが悪魔とベッドにいる場面が描かれ、イエス・キリストが少年たちに「トランプを怒らせることの危険性」について警告する場面が登場する。イエスのキャラクターはこう言う。「CBSに何が起こったかを見ただろ? CBSの親会社がどこか知ってるか? パラマウントだよ。君たちもコルベアみたいになりたいのか?」。

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パーカーとストーンは、コメディ界の怖い物知らずとしてテレビ業界のビリオネアの仲間入りを果たした。これまでに資産10億ドル(約1480億円)を達成したテレビ業界人としては、オプラ・ウィンフリー、タイラー・ペリー、ディック・ウルフ、ジェリー・サインフェルドが挙げられる。

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編集=上田裕資

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