海外

2025.07.28 13:00

コード生成AI「Devin」のCognition、評価額1.5兆円で440億円の調達を交渉中

Photo by Mehmet Futsi/Anadolu via Getty Images

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バイブコーディング(コード生成AI)ツール「Devin」開発元のCognition(コグニション)が、100億ドル(約1.47兆円。1ドル=147円換算)に達する評価額で、3億ドル(約441億円)以上の資金調達の交渉を進めていると事情に詳しい5人の関係筋が明らかにした。この取引には、ベンチャーキャピタル(VC)のファウンダーズ・ファンドとコースラベンチャーズが関与しているという。バイブコーディングとは、ソフトウェア開発のための人工知能(AI)エージェントを活用し、自然言語で指示するだけでウェブサイトやアプリを自動構築・開発できるようにするプログラミング手法を指す。

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ブルームバーグによると、今年3月にPalantir共同創業者のジョー・ロンズデールが率いる8VCの主導で資金を調達した際には、Cognitionの評価額は40億ドル(約5880億円)とされていた。それからわずか数カ月で2倍以上に跳ね上がることになる。ただし、ある情報筋は今回の調達の条件がまだ最終決定に至っておらず、変更される可能性があると警告した。

今回の資金調達に関する情報は、Cognitionが競合のWindsurfを買収した直後に浮上した。ここ数カ月の間、OpenAIによるWindsurf買収が噂されていたが、同社創業者は今月初めに突如、グーグルに移籍すると発表した。グーグルは、Windsurfに24億ドル(約3528億円)のライセンス料を支払ったと報じられた。そして、その発表のわずか2日後に、CognitionはWindsurfの残りの事業を非公表の金額で買収すると発表した。

この買収の発表にあたって、Cognitionのスコット・ウーCEOは、Windsurfのジェフ・ワン新CEOと並んで登場した動画の中で、「新たなCognitionはこれまで以上に速く動く。私たちは人間とAIエージェントが共に働く方法を再定義したい」と語った。

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Cognition、ファウンダーズファンド、コースラはいずれもコメント要請にすぐには応じなかった。

Cognitionは、世界的競技プログラミング大会で金メダルを獲得するレベルという、3人のプログラマーによって2023年に設立された。そして2024年にはDevinを発表し、大きな注目を集めた。ただ、このツールのデモ動画は瞬く間に話題となった一方で、同社がDevinの性能を過度に誇張しているという批判も出ていた。ウーは、当時のフォーブスの取材で「実際のソフトウェア開発の現場はきわめて混沌としている」と述べていた。

その後Cognitionは、経費管理プラットフォームのRamp、データプラットフォームのMongoDB、フィンテック企業のNubankといった企業を顧客に加えている。

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編集=上田裕資

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