経済

2025.07.28 11:30

次の債務危機で勝者と敗者は誰になるか 起こりつつある「地殻変動」

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もし米国が債務危機に陥り、米国債の利回りが8%以上に跳ね上がれば、政治的に手っ取り早い解決策は(懲罰的な「富裕税」をちらつかせながら)米国の富裕層に米国債を購入してもらうことだ。同様に、欧州で債務危機が起こった場合には、ノルウェーのように債務の少ない国々のSWFが、域内で戦略的な資産を購入するまたとない機会を得ることになるだろう。

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筆者の予測では、フランス、英国、あるいはもしかすると米国も、向こう15年間、債務者監獄で過ごすことになる。対照的に、ドイツ、ポーランド、オランダ、ノルウェーといったより低い債務水準の国々は、戦略的な好機を享受することになるはずだ。民主主義が圧力にさらされ、一部で格差が拡大するこの世界で、資金力の高い大企業は戦略的な資産をさらに多く支配するようになり、富裕層は政府にとって課税するよりも歓心を買う必要のある存在になっていくだろう。

この構図に当てはまらないかもしれない唯一の国は、莫大な債務を抱えている中国だ。ユーロ圏危機を経て一部の欧州諸国が重債務を負うに至った経緯を研究してきた中国共産党政権は、起業家や富裕層、企業を債務者監獄に放り込んだうえで、自力で債務を返済させて抜け出させるように仕向けるだろう。

それではよい一週間を。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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