ライフスタイル

2025.07.28 10:30

「犬や猫との生活」は認知症予防に有効か、鳥や魚には効果見られず スイス研究

Shutterstock.com

Shutterstock.com

犬や猫と一緒に暮らせば、年齢を重ねても脳の認知機能が保たれるかもしれない──。スイスで行われた最近の研究から示された。

advertisement

研究では18年分の情報を分析し、50歳以上の成人によるペットの飼育と認知機能低下の関係のほか、ペットの種類(犬、猫、鳥、魚)による違いについて調査した。分析の対象となったのは1万6582人。

それによると、犬を飼っている人はペットを飼っていない人に比べ、即時想起と遅延想起を含む記憶力の低下が遅かった。一方、猫を飼っている人は、言葉の流ちょうさをつかさどる認知能力の低下が緩やかだった。

今回の研究では、鳥や魚を飼うことと認知機能の健康効果との関連性は見いだされなかった(もちろん、これらの動物も人間に大きな幸福感をもたらしてくれるのだが)。論文の著者らは、「犬や猫との触れ合いは、他のあまり要求の強くないペットでは顕著でない、独特の認知刺激を与える」可能性があり、犬や猫によって促進される社会的刺激が、飼い主の認知機能の低下を遅らせているのではないかと推測している。

advertisement

犬や猫と暮らして健康に老いる

米首都ワシントンに拠点を置く非営利団体「ヒューマン・アニマル・ボンド研究所(HABRI)」のスティーブン・フェルドマン所長は、今回の研究によって、犬や猫を迎えることを検討する高齢者に説得力のある理由が示されたと歓迎する。同所長は「50歳を超えたら、食事や運動など健康寿命を延ばす他の方法に加え、犬や猫を飼うことを考えてみてほしい」と助言した。

米国の動物保護施設の中には、高齢のペットを受け入れる高齢者向けに、譲渡費用を割引または免除する「高齢者のための高齢者」プログラムを実施している場合もある。米非営利団体「高齢者のためのペット財団」は、対象となる動物保護施設から犬や猫を引き取る60歳以上の人に対し、譲渡費用や獣医診療費などを支援している。

HABRIのフェルドマン所長は、ペットを最期まで世話する準備ができているかどうか分からない人は、動物保護施設に相談することを勧めている。多くの動物保護施設では、経済不安などの問題で手放されたペットの引き取り手を探しているため、これは双方にとって利益のあることだ。別の研究では、猫の里親になることで、一人暮らしの高齢者の孤独感が軽減されることも明らかになっている。

フェルドマン所長は、今回の研究が高齢者とペットに対する社会の考え方の変化を促すことを期待している。「今回の研究から得られた最も重要なことは、高齢者がペットを飼いやすくするための現実的な政策を支持する確かな証拠が得られたということだ。例えば高齢者向けの施設では、単にペットを許可するだけでなく、居住者にペットの飼育を奨励する特典を設けるべきだ」

同所長は、今回の研究によって、運動能力の向上から心臓の健康状態の改善、さらには寿命の延長に至るまで、ペットが健康的な老化に良い影響を与えるという「明確な見解」が一層強く裏付けられると感じている。「ペットが健康的な老いに役立つことを証明していくことで、個人の健康と公衆衛生の向上のために高齢者のペットの飼育を認め、奨励するような社会の変化を促すことができるだろう」

forbes.com 原文) 

翻訳・編集=安藤清香

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事