国際送金大手Wise(ワイズ)の共同創業者たちが、主要な上場市場を英国から米国に移す計画を巡って対立している。
2011年にワイズを共同創業し、2021年に退任したターベット・ヒンリクスは、同社の主要上場市場を変更する議案には、来年失効する予定だったデュアルクラス株式構造(企業が議決権の異なる 2種類の株式を発行する構造)を延長する条項が含まれていることを理由に、反対するよう株主に呼びかけた。
ヒンリクスは、自身の投資会社であるSkaala Investments OU(スカーラ・インベストメンツ・オー・ユー)を通じて株主に送った書簡の中で、「ワイズは、クラスB株の株主の議決権を10年間延長する条項をこっそりと盛り込んだ」と述べている。
ワイズは、2021年にロンドン証券取引所に直接上場を果たした際、デュアルクラス株式構造を採用し、クラスB株の株主に議決権の90%を付与した。デュアルクラス株式構造は、企業統治に安定性をもたらすとされているが、少数の株主に過度の権限を集中させるとして、投資家からはたびたび批判されてきた。
「少数の手に過剰な権限を集中させることは危険な前例を作ることになり、ワイズが信頼を築いてきた価値観に反する」と、ヒンリクスは書簡で警告した。
スカーラ・インベストメンツは、クラスB株の15.5%を保有するため、この議案によって利益を得る立場にある。しかし、同社は議決権の延長が米国上場と抱き合わせで提示されたことに対して「非常に憂慮している」と述べている。
ヒンリクスは、声明の中で次のように述べた。「性質の異なる議案を一括で扱うことは、極めて不適切かつ不公平だ。ワイズの株主には、議案を個別に評価する機会が与えられるべきだ。このような手法は株主民主主義を損なうばかりか、健全な企業統治やワイズの価値観に反する」
ヒンリクスは、投資家の意見を軽視せず、株主の権利を侵害しない限り、米国での上場を支持すると述べた。



