2025.07.31 14:15

なぜフェラーリは特別なのか? 富士スピードウェイで体感した“情熱と興奮”の答え

F1と地続きの場所に立つ──XX Programという到達点

もうひとつ、現代のフェラーリが築いてきた特異な価値として、見逃せないのが「XX Program」の存在だ。

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これは一般のレースとは異なり、フェラーリが特定のオーナーに提供する、サーキット専用モデルと独自の走行プログラムである。F1直系のテクノロジーを注ぎ込んだ専用車「FXX-K」や「SF90 XX」などを用い、フェラーリのワークスチームと同じデータ解析やメカニックサポートを受けながら、世界各地のサーキットを走るもの。

F1直系の技術が注ぎ込まれたFXX-K Evoと、それを支える専属チーム。フェラーリが選ばれたオーナーにのみ開く、サーキットというもう一つの舞台がXX Programだ。
F1直系の技術が注ぎ込まれたFXX-K Evoと、それを支える専属チーム。フェラーリが選ばれたオーナーにのみ開く、サーキットというもう一つの舞台がXX Programだ。

いわばこれは、クルマの所有を超えた“関与”のかたちだ。購入後もアップデートされ、走行データは本社マラネロと共有される。オーナーはマシンの性能とともに、自分自身のドライビングスキルも進化させていく。資本だけでは手が届かない、長期的な関係と信頼が前提となる世界。その片鱗が、今回の富士でも披露された。

XX Programに参加するということは、フェラーリのレーシングカルチャーを「観る側」ではなく、「担う側」として生きることでもある。そこに集う人々の背中には、確かにブランドと人生が交差する何かが宿っていた。

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理屈ではない、“情熱と興奮”という共通言語

フェラーリがなぜ特別なブランドであり続けるのか。その答えは、ただ高性能な車をつくることではなく、レースという原点を忘れずに、走りへの情熱を多くの人々と共有しようとする姿勢にある。

フェラーリ458 Italia GT3によるプライベーター参戦車両。GTレースの現場には、メーカーの威信と並んで、個人の情熱が静かに火を灯している。
フェラーリ458 Italia GT3によるプライベーター参戦車両。GTレースの現場には、メーカーの威信と並んで、個人の情熱が静かに火を灯している。

そのためにフェラーリは、手間も時間も、そして相応のコストも惜しまず、こうしたイベントを10年にわたって続けてきた。その結果として実現したのが、富士で目にしたあの日の光景だ。

サーキットを走るフェラーリは、美しい。

文=青山鼓

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