暗号資産事業を含め、精査すべき事項が多すぎる
では、なぜほとんど誰も注目しないのか? 一因として、現在は大統領の暗号資産事業を含め、精査すべき事項が多すぎるという事情がある。「トランプの倫理スキャンダルには、みんなが疲れてしまっている。次から次へと問題が続くからだ」と語るのは、ジョージ・W・ブッシュ政権で倫理顧問を務め、トランプの1期目で報酬条項に関する訴訟に関わったリチャード・ペインターだ。彼もまた、そうした訴訟が再び提起される可能性には懐疑的な見方を示している。
「人々は、トランプがまるでテフロン加工でもされたかのように、何をしても責任を免れる存在だと考えている」。
「大統領は自らではなく国民の利益のために行動している」
それはおそらく事実かもしれない。今回の取材に対してホワイトハウスの報道担当室は、詳細な質問リストへの回答を拒否したが、「大統領は自らではなく国民の利益のために行動している」と主張した。
「トランプ大統領の資産は、子どもたちが管理する信託に預けられている」と、副報道官のアナ・ケリーは述べたが、その信託が設立者自身が所有するもので、定期的に内容を確認し、都合が悪くなれば規則を変更しているという点には一切触れなかった。「利益相反は存在しない」とケリーは付け加えた。
かつての誓約と合衆国憲法を踏みにじり続ける
一方、トランプ・オーガニゼーションは今も活動を続けており、ほぼ毎月のペースで新たなプロジェクトを発表している。これは、大統領自身のかつての誓約と合衆国憲法を踏みにじり続けているといえる行為だ。たとえば4月には、カタールの国有不動産会社が、首都ドーハ郊外にトランプブランドのゴルフコミュニティを開発する契約を結んだと明らかにした。
さらに2週間前、トランプ・オーガニゼーションの法人登記を代行している企業が、デラウェア州で新たに「DTマークス・ドーハLLC」と「DTマークス・ドーハ・メンバーCorp」の2社を設立した。これらの会社がすでに発表されたカタールのプロジェクトに関連しているのか、それとも別の新たな海外のディールを示唆するものなのかは、現時点で不明だ。


