北米

2025.07.27 11:00

我々が腐敗と呼ぶべきもの――「トランプ帝国」が拡大、露骨すぎる利益相反の実態

ドナルド・トランプ米大統領(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)

2020年の「敗北」からの返り咲き

2020年の大統領選に敗北してホワイトハウスを去ったトランプと、ビジネス上の関係を結びたいと思う人は、ほとんど居ないように思われていた。それを決定づけたのは、翌年1月6日の議事堂襲撃事件で、銀行はトランプとの関係を断ちたい意向を明確にし、SNS各社は彼のアカウントを凍結した。

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「人々は簡単には彼を許さないだろう」と、ホテル業界を担当するモーニングスターの株式アナリスト、ケビン・ブラウンは、議事堂襲撃の1カ月後にフォーブスに語った。「トランプという名前とイメージは、少なくとも20〜30年は回復不能なダメージを被った」と彼は述べていた。

しかし、その後の状況は予想に反するものだった。トランプは、2022年11月15日に2024年の大統領選への出馬を表明し、その翌日には、サウジアラビアの不動産会社がオマーン政府と提携し、トランプブランドのゴルフコミュニティを開発する契約を結んだ。この契約によりトランプが全額出資する「DTマークス・オマーンLLC」には600万ドル(約8.8億円)以上の資金が転がり込んだ。

そして2024年が到来すると6月に、ジョー・バイデンが討論会での失態を酷評され、トランプが大統領選の最有力候補としての地位を決定づけた。同じ月、トランプは将来のサウジアラビアおよびドバイでの事業を示唆する名称の法人をひそかに設立した。また7月には、彼の長男と次男がブランド事業での取り分を拡大する動きを見せ、それぞれが自身の名を冠した2つの法人がデラウェア州で設立された。

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世界各地の不動産事業

その後、トランプ一家は世界各地で不動産事業を展開できる場所を探し、ベトナムにも進出したが、同国の首相は、トランプのプロジェクトを迅速に進めるよう約束したと報じられている。また、選挙後には他の地域でも事業が活発化し、トランプ一家はインドの3都市にも大統領の名前にちなんだ社名の法人を登録したほか、ハンガリーの首都やフィリピンでも同様の動きを見せた。

「それは、2016年の時と何ら変わりがない」

トランプ・オーガニゼーションは、サウジアラビアとの契約を12月に公表し、エリック・トランプは、今回も父の前政権時と同様の倫理基準に従うつもりだと示唆した。「私は非常に賢明に対処していくつもりだ」と彼はロイターに語り、「それは、2016年の時と何ら変わりがない」と述べていた。

それは明らかに事実に反していた。トランプの海外ライセンス収入は、2024年に前年から650%も増加し、「新たな海外事業は行わない」という約束は完全に消え去った。そして、外国政府と連携することへの懸念も同様に消えた。トランプ・オーガニゼーションは、2025年の年明け以降に、海外事業のために少なくとも8つの新たな法人を設立した模様だ。

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編集=上田裕資

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