バイオ

2025.07.30 16:30

絶滅したマンモスやオオカミの復活は地球を救い、マネーを生むのか

コロッサル・バイオサイエンシズ共同創業者兼CEOのベン・ラム(Mat Hayward / WireImage / Getty Images)

コロッサルは、設立当初と比べると科学面で大きな進歩を遂げており、すでに先に挙げた3つの種それぞれのゲノムを人工的に構築している。ケナガマンモスについては、復活させたい主な特徴のひとつである低温への適応と関連して20以上の拠点で複数の遺伝子書き換えを実演している。タスマニアンタイガーについては、人工子宮での胚の培養を進めているところだ。ゾウの場合も、人工子宮での繁殖スピード加速を目指しているが、体の大きさと妊娠期間の長さ(22カ月)ゆえに簡単ではない。

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コロッサルの科学的取り組みは人間の医療にも役立つ可能性がある。例えば、人工子宮を使った絶滅した生物の復活は、成功すればヒトの体外受精にも役立つかもしれない。

「もし成功すれば、体外受精(IVF)市場の状況を大きく変える可能性があります」(ラム)

すでに、チャーチの研究から生まれた関連スタートアップであるGameto(ガミート)が母体の外で卵子を育てることでIVFの侵襲性を低下させ、手ごろな価格を実現しようと取り組んでいる。

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ラムはより長期的には、一度は絶滅した生物や絶滅危惧種の複数の組織型を集め、研究者が利用できる図書館のようなバイオ貯蔵所の構想を練っているほか、絶滅種の復活や絶滅危惧種の保存のための政府との契約についても検討している。


ベン・ラム◎コロッサル・バイオサイエンシズの共同創業者でCEO。これまでに5つの企業を創業、売却している。2019年に、ケナガマンモスの復活を目指すチャーチの研究に関する記事を読んでチャーチに会い、21年9月にはシード基金1,500万ドルでコロッサルを立ち上げた。個人資産は37億ドルにのぼるとみられる。

コロッサル・バイオサイエンシズ◎2021年、起業家のベン・ラムとハーバード大学の遺伝学者ジョージ・チャーチが立ち上げたバイオテクノロジー企業。氷河期の生物ケナガマンモスを復活させるなどチャーチらが取り組んできた研究を支援する。先ごろ、約1万年以上前に絶滅したとされるダイアウルフの復活に成功したと発表、話題になった。

文=エイミー・フェルドマン 写真=ジョン・デイビッドソン 翻訳=フォーブス ジャパン編集部 編集=森 裕子

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