「コンプライアンスの自動化」を使命とするVanta
カシオッポは2018年、共同創業者のエリック・ゴールドマン(現在は会社に関与していない)とともにVantaを設立した。かつては手作業で行われていた企業のセキュリティやコンプライアンス業務を効率化することが同社の当初からの目標であり、現在もその姿勢は変わっていない。
Vantaは現在、人工知能(AI)を活用した継続的な監視とリアルタイムレポートを通じて、顧客の時間とコストの削減を実現している。たとえば、セキュリティレビューの初期段階をAIが処理し、最終判断は人間が行う。企業が必要なドキュメントを整えた後、監査人がデータを確認し、SOC 2、ISO 27001、HIPAA、GDPRといった基準に準拠する認証をスムーズに取得できる仕組みになっている。
急成長と市場での地位
Vantaの年間経常収益(ARR)は、推定2億2000万ドル(約323億円)に達しており、この金額は2024年1月時点の1億ドル(約147億円)、2021年時点の1000万ドル(約15億円)から大きく拡大している(フォーブスは、クラウド分野の有力非上場企業リスト「クラウド100」の2024年に選出した)。
Vantaの顧客数は1万2000社にのぼり、Mistral AI、Omni Hotels、語学アプリのデュオリンゴ、フィンテック企業Rampなどが含まれている。業務の大半をリモートで行うVantaは、米国、英国、オーストラリアで1000人以上の社員を抱えるまでに成長した。最大の競合はスタートアップのDrataだが、同社はVantaよりもかなり小規模な企業で、今年初めにARRが1億ドル(約147億円)を超えたと発表したばかりだ。
ウィザイラーは、過去12〜24カ月でVantaと他の競合企業との距離がさらに開いたと述べており、その背景に同社が非常に効率的な営業やマーケティング関連の支出を行っていることを挙げている。
「ほとんどの顧客は、その会社が特定分野のパイオニアかどうかを気にしない。彼らが気にするのは、その会社が最も優れたプロダクトを提供しているかどうかだけだ」と、カシオッポは語った。
資金の使途と将来計画
今回の追加資金をもとに、Vantaは、政府との取り組みの拡大、AIへの投資の強化を実施し、さらに買収も視野に入れている。また現在、連邦政府がクラウドベースの製品やサービスをより簡単に導入できるようにするパイロットプログラムに参加中だ。同社はすでに政府機関のデータを扱う公共部門の顧客を複数抱えており、政府と契約関係にある民間企業も多数、取引先に含まれている。
Vantaの最高製品責任者(CPO)、ジェレミー・エプリングは、「当社は、より多くの企業の政府向け製品の販売を支援し、継続的なコンプライアンス維持のためのソリューションも提供していく」と述べている。


