テスラの株価が米国時間7月24日の午前に急落し、イーロン・マスクの純資産は120億ドル(約1兆7600億円)以上減少した。米国の電気自動車(EV)税控除の廃止を受けて、テスラは今後「数四半期にわたり厳しい状況に直面する可能性がある」とマスク自身が警告したことが今回の下落の背景にある。
テスラの株価は時間外取引で下落しただけでなく、24日午前には8%以上下落し、約303ドルの株価をつけた。
この下落は、同社が前日の四半期決算発表で、過去10年以上で最大の四半期売上高の減少を記録したことを受けたものである。また、温暖化ガス排出枠(クレジット)の販売による売上が前四半期と比べ6億ドル(約900億円)近く減少したことも響いた。
株価の動きにより、マスクが保有するテスラ株(発行済み株式全体の約12%を占める)の価値は、1363億ドル(約20兆300億円)から1241億ドル(約18兆2400億円)へと、122億ドル(約1兆7900億円)減少した。
9月30日以降に施行予定の法案によって、新車EVの購入およびリース時に適用される7500ドル(約110万円)の税控除が廃止される件について問われたマスクは、決算説明会の中で「今後、数四半期は厳しい状況になる可能性がある」と述べた。
その一方でマスクは、「2025年末までにテスラの経済性が非常に魅力的なものになっていなければ、私は驚くことだろう」とも語っている。
テスラが決算を発表する前、23日の終値時点におけるマスクの推定資産額は4149億ドル(約60兆9700億円)であり、フォーブスは彼を世界一の富豪と位置づけている。



