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2025.08.12 14:15

生成AI時代に限界を迎える3つの権利

Phonlamai Photo / Shutterstock.com

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生成AIの出現に伴い、著作権・特許権・肖像権といった権利に大きな影響を及ぼしていると思い、ChatGPTにこんな質問をしてみました。

生成AI時代になって、本や音楽に関わる著作権、発明に関する特許権、タレントや俳優に外見に関する肖像権が意味をなさなくなるのではないかとみているのですが、どう思いますか?

著作権や特許権の概念は古くはギリシャ・ローマ時代から存在していたとされていますが、制度化され権利として知れ渡ったのが産業革命以後、フランス革命や米国独立の頃の様です。つまり権利が確立して300年前後の歴史という事になります。

ChatGPT (o4) が出してきた回答

とても本質的な問いですね。結論から言えば、「意味をなさなくなるわけではないが、今のままでは限界がある」というのが現時点での現実的な見方です。以下、著作権・特許権・肖像権の3つについて、それぞれ生成AI時代における意味と課題を整理します。

私が依頼していない分析と課題整理まで行ってくれました。まず、著作権から。

1. 著作権(本・音楽など)
 ■ 生成AI時代の変化
• 生成AIは、既存の著作物を学習して新しい作品を作り出す。
• 「誰が著作者か」「創作性があるか」が曖昧になってきている。
 ■ 現在の制度の限界
• 著作権法は「人間による創作物」にしか適用されない(多くの国で明記)。
• AI生成物が「著作物」として保護されるかは国によって判断が異なる。
• トレーニングに使われた著作物の「二次利用」としての取り扱いも未整備。
 ■ 将来的な見通し
• 著作権法の拡張・再定義が求められる。
• 「データの利用権」と「生成物の著作権」を分けて考える枠組みが必要になる。

この辺りの理解は皆さんもほぼ同様ではないかと思います。特に生成AIをベースにした各種ツール(作曲ツール、文章作成ツール)が24時間膨大なアウトプット(音楽作品、文章作品)を産み出すことが可能になると、その中にはたまたま人が造った音楽や文章と同一なものは発生する可能性は高くなります。現在の著作権は、人が造ったものを他の人が模倣してしまう事を排除する目的ですが、一方が人間とは全く生産性の異なるAIを想定した権利概念として設計されていません。
著作権の思想では、お互いの作品を知らずに同じものができた場合はそれぞれの著作者が著作権を主張できるというルールになっているのですが、これは人の生産性がある一定範囲内にあるという前提でのルールであり、コンピュータが膨大に作品を作ってしまうという現状を前提としていないものだからです。

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