AI

2025.08.12 14:15

生成AI時代に限界を迎える3つの権利

Phonlamai Photo / Shutterstock.com

ChatGPTが提示する解決のアプローチ

では、どうすればよいか? これもChatGPTに聞いてみました。

advertisement

今後の、著作権・特許権・肖像権はどうあるべきかと思いますか?

非常に本質的な問いです。「生成AI時代の知的財産権はどうあるべきか?」という議論は、産業競争力、表現の自由、クリエイターの権利保護、倫理・社会秩序といった多くの価値観のバランスの上に成り立ちます。以下に、分野別に「あるべき姿」を、現実的かつ未来志向の視点で提案します。

まず、著作権についてのあるべき姿ですが、ChatGPTの回答は次の通りでした。

advertisement

1. 🔹 著作権:『利用』と『創作』を分けた新たな構造へ
 ■ 問題の本質:
• AIが生成物を作るためには、著作物を学習しなければならないが、これは従来の「無断複製」と近似。
• 生成物自体は創造性が曖昧で、著作物としての保護範囲が不明瞭。
 ■ あるべき姿:
• 著作物の「利用権(Use Right)」と「生成物の創作権(Output Right)」を分離して制度設計すべき。
o 例:Spotifyのように「使われる回数に応じた報酬」を、トレーニングデータにも適用。
• AI学習は原則自由、ただしオプトアウトの権利を確立
o 学習データ提供者に「拒否権」「対価受け取り」など選択肢を。
• 人間の創作とAI生成物のラベル付けの義務化(出自表示)
🔸つまり、「AIが学ぶ自由」と「クリエイターが選ぶ自由」の両立。

ChatGPTの指摘通り、「AIが学ぶ自由」と「クリエータ―が選ぶ自由」の両立は必要そうです。加えて、「コンテンツを消費する消費者が制作者について知る自由」というのも加えて必要かも知れません。

特許権については以下の様な整理をしてくれました。

2. 🔹 特許権:人間中心主義を脱し『共創型の発明制度』へ
 ■ 問題の本質:
• AIが人間より優れた設計・構造を導く場合が増えている。
• だが現行制度は「発明は人間によるもの」という前提で成り立っている。
 ■ あるべき姿:
• 「AI-assisted invention」や「共同発明者としてのAI」の法的定義を整備
o 人間:意図、問題設定、選択の責任を担う
o AI:候補生成や最適化支援のツールとして明示
• 発明プロセスのトレーサビリティ(履歴管理)を特許審査で重視
o 「どこまで人間が関与したか?」が審査基準となる
• 産業振興の視点で、AI主導発明にも柔軟な保護を与える枠組み
🔸つまり、「AIを排除する」のではなく、「AIと人間の役割を分けて定義し直す」べき。

人間中心主義から共創型の発明制度を提案しています。そして共同発明者としてのAIの定義確定が必要としています。一方、発明プロセスのトレーサビリティを審査するとありますが、これは難しい要件に見えます。というのも発明プロセスは人の脳内で行われることも多く、ちょっとしたアイディアが発明の大きな要素となりえることも少なくないからです。

次ページ > 肖像権を守りたい人、パブリシティ権を守りたい人を登録

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事