半数が「不満はない」のに転職検討
最も注目すべきは、転職を検討している人の47.2%が現在の職場に「具体的な不満がない」と回答した点だ。「職場への不満・問題はほぼない」が27.8%、「改善して欲しい要素はあるが、強い不満はない」が19.3%で、深刻な職場問題を抱えていない人が約半数を占めている。
ただ同時に「給与が安く生活が不安なレベル」(19.3%)、「激務で休む間がない」(14.2%)、「やりたい仕事ができない」(6.8%)と具体的な不満を訴える人もおり、転職動機の二極化が見て取れる。

転職先の会社選びのポイントとしては「給与水準が高いか」を挙げる人が27.9%で最多となり、「福利厚生や立地など」(15.1%)、「やりたい仕事ができるか」(14.2%)を大きく上回った。現在の職場への満足度に関わらず、より良い条件を求める現実的な姿勢がうかがえる。

変わる人材確保の前提条件
「ゆる転職」の浸透により、企業の人材確保をめぐる環境も変化している。不満がなくても転職を検討する層が半数近くいる現実は、従来の「入社してもらえば定着してくれる」という想定とは異なる状況を示している。
また、会社選びで給与水準が最重要ポイントとなっている調査結果は、若手社員が「やりがい」以上に「条件」を重視する傾向があることをうかがわせる。企業側にとっても、こうした価値観の変化への対応が課題となりそうだ。
【調査概要】
調査対象:22歳〜29歳の会社員365名(男性182名、女性183名)
調査期間:2025年7月4日〜7月8日
調査方法:インターネット調査


