キャリア

2025.07.27 17:00

高圧的な上司に「折れない」サバイバル術6選──ストレスを成長に変える

Khosrork / Getty Images

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魂がゆっくりと削られていくように感じられる日というのがある。自分の直感が信じられなくなり、メールを送ろうとしても文面に悩み、迫り来るミーティングにいちいち身構えてしまう、そんな日だ。独裁的な上司の下で働いていると、ごく単純なタスクであっても、精神的に消耗を感じることがあり得る。

人を支配し、批判し、マイクロマネジメントを実施する上司

人を支配し、批判し、細かいところまで管理しようとする上司は、部下の気力を奪い、目的意識、さらにはアイデンティティさえも曇らせることがある。今すぐそんな職場を去ることは不可能かもしれないが、職業人としての本分(そして人としてのアイデンティティ)を守り、自分の目的に向かっているという実感が得られる未来を目指し、準備する方法を見つけることはできる。

こうしたタイプの上司の下で「生き残る」とは、単に我慢することではない。その本質は、ささやかでも意図的な行動を選択することにより、後に引き返せない状況に陥ることなく、自律性を強化することだ。

1. 上司の裏側にある人物像を見抜く

支配力や恐怖心を用いてリーダーシップを発揮しようとする人がいる場合、そうした行動は、率いられる部下というよりは、むしろ上司自身の性格が反映されている場合が多い。独裁的なリーダーはしばしば、心の奥底に不安感を抱えていたり、自分を「決して間違いを犯さない人」に見せたいという欲望が強すぎたりするがゆえに、そうした行動をとることがある。

こうした上司の行動は、個人的な不安に根差していることが多いと知れば、部下は自らに向けられた批判を、自分の人格とは切り離して考えられるだろう。厳しいコメントを受けたとき、それらをすべて内面化するのはやめよう。自分には価値があるのか、と自問自答するのではなく、こうした厳しい表現は、上司の心の内に関する情報だと捉えるようにしてみよう。

さらには、批判の引き金を予期できるようにもなるかもしれない。例えば、上司が「蚊帳の外に置かれた」と感じると激怒することがわかっていれば、予防策として手短かな現状報告をしておくこともできるだろう。あるいは、締切が近づくと圧力が増すタイプであれば、前もってタイムラインを示した上で、「進捗報告の頻度は週に1回と2回、どちらが良いですか?」と尋ねるといいだろう。

こうした戦術的な手をきめ細かく打っておくことで、緊張を和らげ、自分の自立性を失うことなく、上司のマイクロマネジメントをある程度防止できるはずだ。

2. 干渉を受けずに済む環境を作る

しょっちゅう口を挟んでくる上司からの妨害に1日中悩まされているなら、干渉を受けない、まとまった時間の確保はことさら重要になる。こうした時間を確保する方法の一つが、集中して仕事に取り組む時間帯をカレンダーであらかじめ確保し、明確にラベリングしておくことだ。

例えば、「金曜日に向けたリポートの草稿執筆」あるいは「クライアントのデータ分析」といったタイトルがいいだろう。こうすることで、自分の仕事量が可視化され、突然の要求に前もって備えるのに役立つ。

もう1つの方法としては、要求に応えるかどうかを、効率という視点で捉えてみる、というものがある。例えば、上司にこう伝えてみよう。「進捗報告をまとめて行なうと、最も効率的に仕事ができることに気付きました。毎週木曜日の午後に、手短なサマリーを送ることで、お役に立てるでしょうか?」

こうした表現をとることで、自分が設けている境界線は、上司のやり方に対する抵抗ではなく、結果を出すための思慮深いアプローチだという点を強調できるはずだ。

直接上司と話すことのリスクが高すぎると感じられるなら、カレンダーの招待機能を使ってあらかじめメッセージを送る、あるいは、キープした時間帯には自分のステータスを「応答不可」にしておくといった、さりげない意思表示を行なってみるのもいいだろう。これらは小さなサインだが、ある程度の期間続ければ、自分の仕事の流れについて、ある程度の自律性を取り戻すのに役立つはずだ。

次ページ > 3. 自分の強みを示す実績を水面下で蓄積する

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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