5. 出口戦略に投資する
当面は今の職場に留まるつもりだとしても、将来について考えておくことは重要だ。この機会を利用して、自身のキャリアルートを構築しよう。
自分のスキルギャップを埋めるオンライン講座に登録する。あるいは、2週間に1回、1時間ほどの時間を確保して、ひそかに履歴書をアップデートし、現在取り組んでいるプロジェクトを追加するのもいい。さらに可能であれば、自分と価値観がより近い企業やリーダーをフォローし、彼らの発信するコンテンツやイベントに関わる方法を探してみよう。
職場で曖昧な指示、あるいは相反する指示を受けた時には、これを戦略的なコミュニケーションを練習する場と捉えてみよう。その際には、相手からの指示内容を明確にするために、質問を投げかけよう。例えば以下のような質問だ。「この2つのタスクのあいだで、何を優先事項とすべきなのか、確認できますか?」あるいは「毎週のミーティングの前と後、どちらまでに提出すればいいですか?」
これらのスキルは、職場での生き残りに役立つだけでなく、より頭をクリアにし、リソースを増やし、自分自身がリーダーとなる日に向けた備えにもなる。経験を重ね、プレッシャーのかかる場面に対応する実績を積めば、自分にふさわしいチャンスがやってきた時に後押しとなるストーリーを着々と構築していけるはずだ。
6. 恐怖心や苦境を、意味のある体験に変える
支配的に振る舞うことを自らの権限とみなし、恐怖心を管理のためのツールとして用いるような上司の下で働くのは容易ではない。それでも、品位を保って自分の立場を堅持し、脊髄反射ではなく、考え抜かれた回答を選べば、そのたびに、さらに深みのある強さを身に付けていくことになる。
これこそ、自分の価値観が研ぎ澄まされ、今後のリーダーとしてのスタイルが静かに形作られる瞬間だ。絶対になりたくないタイプのリーダーを反面教師として知ることで、自分がチャンスを与えられた時になりたいリーダー像も明確になるはずだ。
今いる場所で成長するには、必ずしもそこを愛する必要はない。適切な戦略を持ち、ささやかでもいいので自分の職業倫理に基づいた抵抗行動をとり(ぜひそうすべきだ!)、未来をしっかりと見据えれば、(キャリアにおける)今の状況を、自分を知る機会に変え、これまで以上の賢さや揺るぎない自信を身に付けられるはずだ。


