FOMC内での意見の不一致はあるか？
パウエルは議長として、ここ最近の金融政策に関して、FOMC内でおおむね合意を形成してきた。しかし、FOMCの構成メンバーはそれぞれ独立して投票権を持っており、自由に意見を表明できる立場にある。
advertisement
トランプによる金融政策への批判が強まっていること、そしてFOMCの一部メンバーが2026年の次期FRB議長指名を見据えてトランプの支持を得ようとする可能性があることから、今回は意見の不一致が生じる可能性もある。ただし、トランプが現FOMCメンバー以外から議長を指名する可能性も排除できない。
市場は、7月の政策決定に関してFOMCが一致した姿勢を示すかどうかを注視している。トランプの発言がなくとも、今回の判断は微妙なバランスの上に成り立っており、次回会合での利下げの可能性がある以上、その意味合いは小さくない。
今後の見通し
市場は、7月30日の会合では政策金利が現在の4.25〜4.5％のレンジで維持されると予想している。ただし、次回の9月17日の会合では利下げが実施される可能性がある。もしそうであれば、その兆しはFOMCの声明文やパウエルの記者会見の中に現れる可能性がある。
advertisement
これまでの記者会見の内容から見て、パウエルがトランプの批判に対して明確な反応を示す可能性は低いと考えられる。ただし、FOMCメンバー内で金利決定に対する意見の不一致が表面化すれば、それは9月の利下げを示唆するサインと受け止められる可能性がある。
結論として、7月の会合では金利は据え置かれる見通しだが、会合の内容次第では9月会合への市場の期待や予測が変化する可能性がある。
