管理職向け研修の受講経験者のほとんどが、職場の雰囲気やパフォーマンスの向上を実感している。ただしそれは、研修で学んだことを十分に実践できている2割の人たちに過ぎない。残る8割の人たちは、どうして実践できなかった。どうしたら学びを活かせるようになるのか。
コーチングを活用したトレーニングを提供するビジネスコーチグループ B-Connectは、従業員数1000人以上の企業に勤めるリーダー研修を受講した経験のある管理職(本部長、部長、課長)108人を対象に、研修と実践のギャップに関する実態調査を行った。それによると、研修で学んだことを現場で十分に行動に移せている人は約2割という結果だった。約半数は「ある程度行動に移せている」と答えているが、残る3割弱はうまくいっていない。

十分に行動に移せた2割の人たちに、チームや部下にどのような変化があったかをたずねると、コミュニケーションが活性化した、チームメンバーの主体性や積極性が高まった、問題解決のスピードが上がったなど、よい結果が数々あげられた。

では、実践できなかった人に理由を聞くと、研修で得た学びと現場の状況にギャップがある、上司や経営層の理解や支援が得られない、日常業務が忙しく新たな取り組みに時間を割けないといった要因があげられた。自由回答では、方法がわからない、環境が違う、現実に合っていない、それぞれの部下に応じた対応をする余裕がないといった意見も聞かれた。理論と実践は別、という状況だ。

そこで、どうしたら研修の成果を現場で発揮できるようになるかをたずねたところ、個別の状況に合わせたコーチング、研修後の定期的なフォローアップ、実践に役立つツールや資料の提供などの要望が多く聞かれた。

B-Connectは、事業環境の急速な変化により管理職に求められるリーダーシップも複雑化し、画一的なアプローチでは個々の現場課題への対応が難しくなっていると指摘。「研修後の継続的なフォローアップや、実践状況に即したコーチングの導入は、行動変容を促し、組織全体の成果向上につながる鍵となる」と話している。うまくできている人たちは素晴らしい結果を出していることが明白なだけに、研修を無駄に終わらせてはもったいない。



