暗号資産

2025.07.24 13:00

ビットコインを売らずに資金調達、「暗号資産担保ローン」という選択肢

Shutterstock.com

世界の信用市場におけるビットコインの動向

米Yahoo Financeに掲載されたプレスリリースによると、資産担保型融資の市場規模は2024年に7010億ドル(約102兆円)と評価されており、2030年には1兆3000億ドル(約189兆円)に達すると予測されている。そして、ビットコイン担保ローンのAaveのみでもすでに75億5000万ドル(約1.1兆円)に達しており、市場全体の1%を占めている。

advertisement

ビットコイン担保ローンは、依然として暗号資産ユーザーの間だけで行われるニッチな手法のように思えるかもしれない。しかし、暗号資産は徐々に伝統的なフィンテック領域にも浸透し始めている。たとえばBlock Earnerは最近、オーストラリア初となるビットコイン担保型住宅ローンを開始した。このローンでは、保有するビットコインを売却せずに担保として用いることで、住宅ローンの頭金の借り入れが可能だ。

確かにビットコインは不動産よりもハイリスクな資産だが、実物資産を担保に借り入れを行うことが必ずしも安全とは言い切れない。米国の債務が増え続けるなかで、この状況から脱する唯一の方法は、債務の実質的な価値を減らす、つまりドルの価値を引き下げることだ。ドル安がゆっくり進むのか急激に進むのかは未知数だが、いずれにせよ、ローンの担保やヘッジの手段として代替資産を保有しておくことは損にはならない。

さらに、JPモルガンのような米国の大手銀行の一部は、すでにビットコインを担保として受け入れ始めている。他の銀行もこれに追随する可能性が高く、それが「暗号資産担保型ローン革命」の明確なシグナルとなるだろう。

advertisement

ビットコイン担保型融資が持つ潜在力

筆者は、従来の銀行システムが「無条件の信頼」を失いつつあると見ており、ビットコイン担保型融資は、現実的な代替手段として台頭していると考えている。また、実際の導入事例も現れる中で、単なる銀行回避の動きではなくなっている。資産担保型の融資は、新たな資本管理のあり方や、経済的主権の確立に向けた可能性を切り拓くものだ。

暗号資産を売却せずにローンを返済できる選択肢が登場したことで、価格変動というリスクはあるにせよ、こうしたサービスが従来よりも安全な借入手段として機能する可能性はある。資産のトークン化が進む未来において、ビットコインは投機対象を脱し、世界の信用インフラを支える信頼性の高い手段へと進化する可能性を秘めている。このテクノロジーは、もはや民間のフィンテック企業だけのものではなく、すでに機関投資家の関心も集めており、ビットコイン担保型融資が持つ潜在力は極めて大きいといえる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事