これはアクティビスト系のファンドのやり方に似ていますが我々はそうはなりませんでした。「friendly activism (友好的アクティビズム)」という言葉がありますが、これはoxymoron (矛盾)で皮肉めいています。アクティビストは企業にとって嫌なやつであればあるほどパフォーマンスが良くなりますから。経営への影響という、ある種の嫌がらせを続けなければいけないので手間もかかるし、それが「快感」でなければ精神的負担も大きいでしょう。
我々は逆に投資先の社長を情報源にする道を選んだのです。どんなに小さな会社でも社長の情報網はすごい。これを生かすのです。
──日本市場では、新NISAなどをめぐる個人投資家や海外投資家の資金流入が加速しています。
清原:個人投資家が新NISAを通じて株式投資を増やしていることはとてもポジティブです。少額でも裾野が広い個人投資家層に積立投資が広がれば、日本株の需給はじわじわ改善するでしょう。
最大のメリットは「これだけ個人に新NISAが浸透すると、もう日本政府は日本株式にネガティブな政策は取れない」ということです。法人税を大きく上げるとか、自社株買いに課税するとか、そんな政策はリスクとして考えなくてもよい。まさに投資の起点がさらに投資を呼び込む「好循環のスパイラル」です。(続きは7月25日発売「Forbes JAPAN 2025年9月号」でご覧ください。)
きよはら・たつろう◎1981年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。同年、野村證券に入社し海外投資顧問室に配属。86年、野村證券NY支店配属。98年、タワー投資顧問で基幹ファンド「タワーK1ファンド」をローンチ。2023年、同ファンドの運用を終了し、退社。著書『わが投資術』(講談社)は、投資家のバイブルになっている。


