ドナルド・トランプ米大統領は先日、米国製のパトリオット地対空ミサイルシステムをウクライナに新たに送る考えを示した。トランプ政権はウクライナの防空支援のペースを遅らせていた(米国による大規模な援助は今年1月が最後だった)が、ウクライナがロシアによる空からの激しい攻撃に何週間もされたあとに方針を転換した。
追加供与されるパトリオットシステムは、ウクライナでの戦争の形勢を大きく変える“ゲームチェンジャー”になるわけではないものの、ウクライナが自国の空をロシアから守る手段としては格段に強力なものだ。パトリオットがなければ、ウクライナの主要都市だけでなく、兵器工場や発電所といったきわめて重要なインフラに対するロシアの壊滅的な攻撃を防ぐことが困難になる。
2025年時点で、ロシアのミサイル攻撃でウクライナの火力発電能力の80%が破壊されているほか、複数の重要な水力発電所も損傷を受けている。ロシアはウクライナの天然ガスインフラや電力網に対する攻撃も続けている。こうした攻撃は停電を招くばかりか、大規模な産業災害や洪水も引き起こしかねない。
さらに、戦場でおびただしい数の人的損害を出しているロシアは、ウクライナの民間人をあからさまに狙った攻撃を一段と激化させている。そのためウクライナは、防空能力を強化する必要性がますます高まっている。
ウクライナも疲弊しているが、ロシアのドローン(無人機)や巡航ミサイルを撃ち落とす能力はなお高い水準を保っている。2022年2月に始まった現在の戦争の初期には、ロシアの巡航ミサイルのおよそ70〜80%を迎撃していた。



