健康

2025.08.01 08:45

東大で開かれた「未来のウェルネス」会議 レアル・マドリードのドクターも登壇

Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO

Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO


「健康や医療、スポーツの課題を、社会とともに考える。そのために大学は“場”を開く責任がある」

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オープニングでそう語ったのは、東京大学の藤井輝夫総長だ。2025年6月、歴史ある東京大学・安田講堂にて、「Sports Doctors Network Conference 2025 in TOKYO」が開催された。そこには、藤井総長の言葉通り、科学・医療・スポーツの最前線に立つ専門家たちが集い、一般社会に向けた知の還元が試みられた。

主催するSports Doctors Network(SDN)は、23年にレアル・マドリード、ACミランといった欧州トップクラブのチームドクターたちが中心となって立ち上げた国際的ネットワーク。アスリートの競技人生を支える医療知見の一般活用、スポーツ医学と予防医療の接点を社会に拡張していくことを目的としている。

今回はアジアにおける初の本格的なカンファレンスとして、ノーベル賞財団理事長、経済学者、宇宙飛行士、世界的スポーツクラブのチームドクター、アスリートや起業家らが登壇。科学と制度、医療と文化、身体と社会の接続点を多角的に見つめ直す、刺激に満ちたプログラムが展開された。

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でも、それが一番むずかしい

「Sports Doctors Network 、ノーベル賞、 癌と食」セッション
「Sports Doctors Network 、ノーベル賞、 がんと食」セッション

カンファレンスの口火を切ったのは、ノーベル賞財団理事長であり、分子生物学の世界的権威であるカール=ヘンリック・ヘルディン教授と、経済学者の成田悠輔、Sports Doctors Network COO兼アジア代表の山田早輝子によるセッションだった。テーマは「がんと食」、そして「制度のあり方」だ。

がんの最大のリスク因子は「加齢」だが、日々の生活の中で唯一コントロール可能な要素が「食」であるという前提のもと、議論は「予防医療をいかに制度として支えるか」へと展開された。

このセッションで成田は、食と健康の領域では「政府や制度の介入が不可欠だ」と強調した。自由市場や個人の選択に任せていては限界がある、と。

理由は二つある。 ひとつは、「わかっていてもやめられない」問題だ。タバコやアルコールと同じように、過剰な糖分や塩分を摂ることのリスクは誰もが知っている。知っていても、人は夜中にスナック菓子に手を伸ばすし、成田自身も「毎晩飲み過ぎてしまう」と笑う。だからこそ、個人任せでは難しく、税制やルールで行動を導く必要がある。

次ページ > 「制度づくりには中長期的な視点が必要だ」

文=青山鼓 写真=Sports Doctors Network

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