猛暑が続くなか、炎天下での作業を強いられる農家はまさに命がけだ。さらに人手不足に高温障害と泣き面に蜂の状態。そこへスマート農業という期待の星が登場したが、なぜか約7割の農家は静観している。
中古農機具の売買専門店、農機具王は、10代から70代の農業従事者171人を対象に「猛暑と農業のリアル」に関するアンケート調査を実施した。それによると、8割を超える人が今年の夏は例年以上に暑いと答えている。これが、屋外での作業が多い農家の「体感」だ。

こうした猛暑や天候不順が作物に与える影響を聞くと、もっとも多かったのが高温障害による被害の増加だった。続いて、収量の減少、品質のばらつき、病害虫の増加など、どれも不作の要因だ。この設問は複数回答なので、実際にはこれらの問題が同時に発生している。

「土壌の乾燥、今まであまり気にならなかった害虫の発生に困っている」、「例年の秋に獣が田んぼに入ることがあったが、今年は早くも入られて一部イネを食われた。食われたのは初めてで、何の獣かわからない」といった意見から、気象変動による予想外の影響も示されている。

人手不足を感じている農家はおよそ5割。ただし、「そもそも外部の人手は使っていない」と答えた2割は、人手が足りて安定しているとは限らない。人が集まらない、給料が払えないなどの事情から、小さな規模に制限せざるをえないことも考えられる。高齢化と暑さで作業時間や作業人数が限られ、「時間があっても動けない」生産者も少なくないと農機具王は話す。人手不足の以前に、手も足も出ない状態のようだ。



