米国では伝統的なニュースメディアの影響力が低下しており、過半数の人々がソーシャルメディアや動画ネットワークを通じてニュースにアクセスするようになっている。
最大の脅威は「インフルエンサーや著名人」と「政治家」
ロイター研究所が7月17日に発表した報告書(48市場を調査)によると、この傾向が誤情報の拡散に拍車をかけており、調査対象者の半数以上が「オンラインニュースの中で、何が真実で何が虚偽かを見分ける能力に不安を感じている」と回答した。
また世界的に見て、回答者が「オンラインのインフルエンサーや著名人」(47%)と「国家レベルの政治家」(47%)の2タイプが最大の脅威を与える存在だと挙げていた。
地域別では、ナイジェリア(58%)やケニア(59%)といったアフリカ諸国でインフルエンサーへの懸念が最も高い。政治家が最大の脅威と見ている国は、米国(57%)に加えて、スペイン(57%)、セルビア(59%)、スロバキア(56%)、ハンガリー(54%)などの東欧諸国だ。
人工知能(AI)チャットボットや対話型インターフェースがニュースソースとして台頭しつつあるものの、その規模はまだ小さく、毎週利用していると答えたのは調査対象者のわずか7%にとどまった。ただし、25歳未満ではこの数字が15%に上昇した。
信頼できる情報源は既存ニュースブランドや公共放送
またほとんどの国で、ニュースにおけるAIの利用に懐疑的で、「人間が関与しているほうが信頼できる」と感じている。「これらデータは、人間が作るニュースの価値をAIが高めてくれることを期待するニュース組織にとって、多少の安心材料になるかもしれない」と研究者は述べた。
「この意味で、信頼できるニュースブランド、特に多くの国における公共放送は、『何が真実で何が虚偽か』をオンラインで確認したいときに人々が最も頻繁に利用する場所としての地位を保っている。政府の公式情報源も同様だ」と研究者は続けた。
上の傾向は年齢層を問わず見られた一方、若年層は、高齢層よりもAIチャットボットとソーシャルメディアの両方を使って情報を確認する割合が相対的に高かった。



