ラブブは、1体が約30ドル(約4390円)で販売されているが、希少な限定版は転売市場で数百ドルの値がつくこともあり、今年に入り販売が急増した。ポップマートは先日、今年上半期の純利益が前年比350%増になる見通しを発表した。
また、トイ・インサイダーのイベントで最も人気のブースの1つは任天堂のもので、同社は新型ゲーム機Nintendo Switch 2をデモ展示していた。450ドル(約6万5900円)で販売されるこの新型のゲーム機は、6月に発売されるとすぐに記録的な販売を達成し、4日間で350万台を売り上げ、史上最速で売れたコンソールとなった。
中国への関税は、25ドル(約3660円)〜100ドル(約1万4600円)程度の中価格帯の玩具を販売する企業により大きな影響を及ぼすと見られており、Nintendo Switch 2のような高価格帯商品や10ドル(約1460円)未満の低価格商品には、それほどの打撃はないとみられている。
関税の影響を受けない低価格商品
バイラルヒットとなった玩具「Sticki Rolls(スティッキーロールズ)」を手がけるスカイキャッスル・トイズの社長のジョシュ・ロエルゼルは、同社の新製品の価格が4.99ドル(約730円)に設定されているため、「関税の影響は最小限に抑えられる」とイベントで語った。
「5ドル(約732円)程度の商品であれば、関税の嵐を乗り越えることができる」と彼は語った。スカイキャッスルはコスト管理を強化し、部屋やロッカーの装飾に使えるジャンボサイズのステッカーや日本のキモカワイイ系のアートから着想を得た「スティッキーロールズ・クリーピーズ」を4.99ドル(約730円)で発売した。
また、中国製品への関税圧力は、米国内で製造を行っている新興の玩具企業にとっては好機となっている。
イベントでは、そうした企業のうちWigglitz(ウィグリッツ)とDoodle Face(ドゥードルフェイス)の2社が、SNSやインフルエンサーの注目を集めていた。
Wigglitzは、動くパーツを持つ動物などの小さな3Dプリントフィギュアで、1体が2.99ドル(約438円)、または袋入りで24.99ドル(約3660円)で売られている。これらは、同社が本社を置くユタ州で製造されている。また、DoodleFaceは、子どもが色を塗って消してまた塗れる特殊加工をされたボール紙の壁飾りやフィギュアを、ニューヨーク州北部の自社工場で製造している。
一方で、関税を懸念する企業らは、年末商戦での在庫不足を警戒している。「これは、145%の関税が導入された際に生産が鈍化した影響が、年末に表れる可能性があるからだ」とザーンは語った。「今は在庫が十分にある企業でも、シーズン中に予想外のヒット商品が出た場合には対応が難しいかもしれない」と彼は述べている。
また、関税率が予測不能であり、玩具の生産国すべてで税率が激しく変動していることが、「企業が計画や予測を立てる上で困難を生んでいる」とザーンは述べた。「企業は今後の利益率を見きわめようとしているが、価格はどんどん変わってしまう」と彼は指摘した。


