CSTO全体に広がる不安感
CSTO加盟国のベラルーシ、キルギス、タジキスタンは、アルメニアやカザフスタンほどロシアに対して強硬な態度を取っていない。だが、これらの国々もロシアとの意見の相違を抱えている。
ベラルーシはロシア軍との軍事演習を継続している。同国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領もプーチン大統領と頻繁に会談し、両国の経済関係について協議している。だが、こうした継続的な交流にもかかわらず、ルカシェンコ大統領はベラルーシ軍をウクライナに派遣するというプーチン大統領の要請を繰り返し拒否している。米誌ニューズウィークの報道によると、ベラルーシ国民の大半がウクライナ侵攻への参加に反対している。ベラルーシ軍の中にも、ウクライナ侵攻に参加したくないと考えている当局者がいるという。
一方、キルギスはCSTOやロシアとの関係に消極的だ。キルギスのサディル・ジャパロフ大統領は2022年10月、ロシアが主催した経済会合を欠席した。キルギスはその後、自国で開催する予定だったCSTOの軍事演習も中止した。同国はロシアを支援するために兵士を派遣していない。米誌ディプロマットによると、キルギス政府は自国民に対し、ロシアへの渡航を控えるよう勧告している。
タジキスタンも他のCSTO加盟国と同様、ウクライナ侵攻でロシアを支援するために派兵しないことを決めた。中央アジア情勢を専門とする米ニュースサイト、ユーラシアネットの報道によると、ロシア軍からの徴兵を逃れるため、タジキスタンとロシアの二重国籍者が、ロシア国籍の放棄を検討する事例もあるという。
こうした展開を受け、CSTO全体に不安感が渦巻いている。一部の加盟国はロシアから距離を置き始めており、アルメニアとカザフスタンの2カ国はこの軍事同盟に公然と反旗を翻している。
CSTOはワルシャワ条約機構の後継として設立されたが、現在深刻な危機に直面している。自国が主導するCSTOの安全保障体制が揺らぐことのないよう、ロシアがいかにして他の加盟国との関係を修復するのか、注目される。



