初期の太陽に非常によく似た星の周囲で、惑星形成の最初期段階の兆候を検出したとする画期的な観測結果を、天文学者チームが発表した。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)と南米チリのアルマ(ALMA)電波望遠鏡(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)を用いた今回の観測では、地球から約1300光年の距離にある生まれたばかりの星(原始星)のHOPS-315の周囲で、惑星形成の微小な材料物質を初めて検出することに成功した。
学術誌Natureに16日付で掲載された最新論文の筆頭執筆者で、オランダ・ライデン大学の教授を務めるメリッサ・マクルーアは「今回の研究では、太陽以外の星の周囲で惑星形成が始まる最初期の瞬間を特定することに初めて成功した」と述べている。
画期的な観測
固化を始めたばかりの高温の鉱物という惑星形成の材料物質の兆候が、太陽に似た星の周囲で初めて観測されたことは、地球に似た惑星がどのように形成されたかを理解しようと試みている天文学者にとっては決定的に重要な意味を持つ。
論文の共同執筆者で、米パデュー大学教授のメレル・ファント・ホッフは「今回目の当たりにしているのは、形成され始めたばかりの頃の太陽系の姿に似た星系だ」として、今回の観測結果を「赤ちゃんの頃の太陽系の写真」になぞらえている。
HOPS-315にようこそ
HOPS-315は星形成の最初期段階にある、生まれたばかりの原始星で、水素の核融合反応はまだ始まっていない。約46億年前の誕生直後の太陽に非常によく似ている。オリオン座内に位置しており、青い反射星雲M78(NGC2068)の近くにある。
惑星形成の兆候が見られる原始星はこれが初めてではないが、他の原始星では新たな惑星誕生の場となるガスと塵(固体微粒子)からなる円盤「原始惑星系円盤」しか見つかっていなかった。最初期の惑星の固体部分が検出されたのは、今回が初めてだ。また、欧州南天天文台(ESO)はこの過程を説明するアニメーションをYouTubeで公開している。



