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2025.07.26 11:15

そのドリンクが危ない 熱中症を予防する賢い水分補給術

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熱中症対策には水分補給が大切であることは、誰もが承知している。問題は何をどう飲むかだ。みなさんは、スポーツドリンクをがぶ飲みしていないだろうか。

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浄水器メーカーのブリタが20代から60代の男女647人を対象に行った調査によれば、夏の水分補給でいちばん多く飲まれているのが「お茶」だった。そのほか、ミネラルウォーターや水道水なども多いが、スポーツドリンクを飲む人が意外に多い。スポーツドリンクには体にいい成分が含まれているので、水やお茶よりもいいように思える。しかし、飲み方を間違えると逆効果だ。

「ペットボトル症候群」(または清涼飲料水ケトーシス)という言葉がある。糖分を多く含む清涼飲料水を短時間に大量に飲むと、血糖値が急上昇して体調不良が引き起こされる。スポーツドリンクやソーダ類の一気飲みは危険ということだ。ペットボトル症候群という言葉を知っていて注意している人は3割に満たなかった。知っているが注意はしていないという人が約2割。知らない人は約5割だ。

だが、ペットボトル症候群を引き起こす加糖飲料水で体調不良を起こした経験のある人は6割にものぼる。もっとも多い症状が喉の渇き。喉が渇くからさらに飲むという悪循環が心配される。そのほか、倦怠感、頻尿、頭痛、吐き気など。これが加糖飲料水によるものだと気づけばいいのだが、知らなければ気づきようもない。

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調査の監修にあたった東京医療保健大学大学院客員教授の谷口英喜氏は、「熱中症対策の飲料としてスポーツドリンクを選んでいる方が多いことに驚きました」と感想を述べている。谷口医師によれば、塩分は食事で十分に摂取できるため、日常生活の水分補給は水やお茶で十分だと指摘する。

ただし、汗をたくさんかいたときは、やや多めに水分をとるよう心がけることが重要だ。スポーツドリンクは、激しい運動の後など特別な場面で飲むようにする。また経口補水液は、大汗をかいたときや熱中症になってしまったときや、病気やダイエットで十分な食事がとれないときに有効となる。

水分補給量の目安は、あまり汗をかかない状況なら成人男性で1日1.5リットル、成人女性で1.2リットル。1回あたり100〜200ミリリットルを8〜10回に分けて飲むのがよい。汗をかいたときは量を多めにする。ただし、これはあくまで食事をしっかり食べていることが前提。熱中症予防に必要な栄養素は食事で得られるからだ。夏こそ食事をしっかり摂って、どれだけ汗をかいたかによって水やスポーツドリンクを上手に使い分けよう。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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