経営・戦略

2025.07.27 08:00

「アルファ世代」を魅了し年商150億円、キッズ向けスキンケア「Evereden」を創った女性起業家

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製品ラインの拡大と成長を顧客の声が導く

Everedenは2018年、テキサス州拠点のVC、Sidekick Partnersが主導したシードラウンドを経て、赤ちゃん用スキンケア製品をローンチした。2019年には、妊娠線を抑えるためのオイルなど、母親向けスキンケア製品に展開を拡大。初期の数年で売上が100万ドル(約1億4600万円)を突破した同社は、子ども向けのスキンケアとヘアケア製品を事業に加えた。

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「私たちが製品を広げていった理由は主に、顧客が成長していったからだった」とホーは語る。「ある時、『うちの赤ちゃんはもう乳児じゃない。上の子もいるの。子ども向けの製品はないの?』と聞かれるようになった」。

またアマゾンなどのサイトで、複数のニッチなサブカテゴリーにまたがってブランドを展開していることも、成長を後押しした。発売から数カ月で同社のヘアケア製品はアマゾンの「子ども用ヘアケア」部門で1位を獲得。このカテゴリーは、それまでアマゾンでほとんど手つかずの領域だったという。プレティーン向け製品は、その後Everedenで最も成長の早いセグメントとなった。

強みは「自社ラボによる、圧倒的な開発スピード」

Everedenは2021年に2度の資金調達を実施。シリーズCラウンドでは、メンローパークを拠点とするGSR Venturesの主導で3200万ドル(約47億円)を調達した。このラウンドで得た資金の多くは、自社の製品開発ラボと専属化学者チームの構築に充てられた。

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「このような取り組みは、スキンケアやビューティ業界では異例のことだ」とホーは言う。「自社の製品開発ラボを持つのは、一般的にはロレアル、ユニリーバ、P&Gのような巨大企業だけだとされている」。

近年台頭しているほとんどの新興化粧品ブランドは、外部のラボを使っている。最近10億ドル(約1460億円)でElf Beautyに売却されたヘイリー・ビーバーのRhode Beautyなども例外ではない。これらラボは、複数の競合ブランドの開発を同時に請け負いつつ、定額料金で製品開発を行っている。

ホーによると、こうした外注先と組んで新製品を開発する場合、一般的には完成までに約18カ月がかかるという。「私たちの自社ラボなら、製品開発のライフサイクルを3〜6カ月に短縮できる。つまり、競合の3〜4倍の速さで製品を市場に出せる」。

年間売上高が約146億円に達し、黒字化

Everedenは、2021年から年間約10種類の新製品の発売を開始した。その後4年間でヘアケア、スキンケア、ボディケア、フレグランスに加えて、軽度なメイクアップ用途のリップ製品なども展開。乳児からプレティーンまでの年齢層に対応する製品ラインを整備し、子どもとその家族のためのパーソナルケアブランドとしての地位を確立した。アマゾンは、2021年以降で同ブランドの中でも最も成長の速い販売チャネルの一つとなっている。

またホーが、自社ブランドの国際的な存在感を高めることに意識を向けていたのは自然なことだ。先に触れたように、Everedenのアイデアは、マレーシアの友人から「新生児に使える安全でクリーンな米国製品を送ってほしい」と頼まれたことがきっかけだったからだ。Everedenは現在、海外の小売店でも取り扱われているが、売上のほとんどは依然としてオンライン購入によるものだ。同社の売上は昨年、1億ドル(約146億円)に達し、黒字化を果たしている。

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編集=上田裕資

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