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2025.07.23 09:00

AI競争は「小規模言語モデル・SLM」が変える──用途特化と費用対効果が魅力

LightFieldStudios / Getty Images

SLMの鍵は、専門家が関わった領域特化型の高品質データ

もちろんSLMにも課題はある。特に訓練にあたっては領域特化型の高品質データが必須だ。長文の推論や、広い文脈理解を必要とするタスクでは、うまくいかない場合もある。

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サイバーセキュリティとAIの専門家で、OurCrowdのユヴァル・イルズCOOは、筆者とのインタビューでデータに関する課題を強調した。「SLMを機能させる鍵は、適切な訓練データのキュレーションだ。特定の目的に合わせて、専門家が情報を収集・選別・整理・編集する必要がある。高品質なデータセットがなければ、SLMはすぐに信頼性を失ってしまう。最善のアプローチは、現場のビジネスデータを使って継続的に再訓練をすることだ」。

ビジネスリーダーの課題は「どのモデルが自社のビジネス価値を高めてくれるか」

このハードルがあるにもかかわらず、イルズはSLMが将来的に企業向けAIの中心になると信じている。「私たちは、企業がLLMとSLMの両方を活用するハイブリッドな世界に向かっている。LLMは一般的な知識のために引き続き有用であり、SLMは、金融機関のシステム、工場の生産管理システムといった精度・安全性・スピードが求められるビジネスの中枢を担うだろう」。

AI革命は規模が大きいモデルほど、より良好な結果をもたらすという前提で始まった。しかし現在企業は、モデルのサイズよりもビジネスインパクトの方が重要だと気付き始めている。ビジネスリーダーの課題は、「どのAIモデルが流行っているか」ではなく、「どのモデルが自社のビジネス価値を高めてくれるか」だ。

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アリは、「未来に必要なのは、より賢いAIだけではない。ビジネスで本当に機能するAIを実現することになる」と指摘した。そしてSLMは、時にビジネスにおいては「少ないものの方が、多くをもたらす」ことを証明しつつある。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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