AI

2025.08.06 08:15

Sakana AIとパズル系YouTuberの協業が示すAI開発のかたち

左からCracking The Crypticのマーク・グッドリフ、Sakana AI共同創業者兼CTO(最高技術責任者)のライオン・ジョーンズ、Cracking The Crypticのサイモン・アントニー

━━ライオンさん、「直観」が極めて重要な役割を果たすとおっしゃっていましたね。AlphaGoで言及されたのは「第2局・37手目(黒37)」のことですよね? あの手には誰もが驚かされたと思いますが(編集部註:悪手にも見えたが、その後の展開でAlphaGoが形勢を優位に運ぶ起点となった。AIが人間の理解を超えたレベルで、創造的に問題を解決できることを示した象徴的な一手として知られる)。

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ライオン:ええ、そうだと思います。37手目の問題点は、それが一つのデータポイントにすぎないことです。そして、私たちは実際にニューラルネットワークがどのように機能するのかをわかっていないので、ニューラルネットワークが見つけた深い直観だったのか、それとも単なる幸運によるものだったのか、わかりません。

驚きの一手だったという話はウケこそしますが、その真相は不明です。とはいえ、「直観」の一例ではあります。それこそ無数のゲームをプレイした後、ニューラルネットワークに何かが抽出された好手かもしれない、という例です。AIが何百万ものゲームで見た手があり、ふつうの人間は何百万ものゲームをプレイできないため、遭遇することがなかった手かもしれません。

マーク:興味深い点ですね。私たちがパズルの解く際の直観は、間違っていることがよくあります。「パズルを解く役に立っていない」と気づくまでに、深く考えて込んでしまうこともあります。1+1=2を証明するのに5分も費やしてから、「最初からわかりきっていたのに、これで一からやり直しだ」と気づくことも(笑)。人間の直観でさえしばしば間違えるというのは不思議な話です。

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━━話の向かっている方向が面白いですね。人間の特性を“再発見”しているように思えます。

マーク:そうだと思います。言い過ぎではありませんよ。完全に同意しますね。

サイモン:残念なのは、たまに「ナンバーパズルには飽きちゃったんだよね」というコメントがあったりすることです。新聞に載っているような、AI生成のパズルは確かに退屈なんですよ。ニコリ社のパズルを解くときのような “ひらめき”の瞬間がないからです。だから、私たちは「(人による)手作りのパズルのほうが面白い」と、呪文のように繰り返しています。明らかですよ。もし私たちがAI生成のパズルを解く動画から始めていたら、今頃は昔の仕事に戻っていたでしょうね(笑)。

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文 = 井関庸介 写真 = 能仁広之

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