マーク:パズルで得た学びは他の分野にも応用できる、というのは私たちが信じていることの一つです。さまざまな数独を解くようにAIを訓練できれば、それはゲームを解くことを超えて「学習する方法を学ぶ」ことであり、画期的でしょうね。
練習こそが、私たちが数独、あるいは他のこと全般でスキルを身につけられた最大の要因です。その練習によって、ライオンが「直観」と表現する、パズルに対してどう取り組むべきかの感覚を得られます。私はパズルを解くのが得意なほうですが、サイモンがどう突破口を見つけたのか見当がつかないこともあります。彼は進め方についてのアイデアをすぐに思い付くのです。しかも、それを説明するために意識的にスピードを落とせます。それはそれで驚異的なスキルです。
サイモン:数独はシンプルなゲームです。どの行、どの列にも1から9までの数字をそれぞれ一度だけ入れなければなりません。「マジックスクエア(魔法陣)」がある場合は、3×3のブロック内に重複があってはいけない。しかし、矢印や温度計を含むような変種の数独を含む、私たちが解くパズルのルールはそれだけではありません。だいたい他にも何かしらの制約があります。
カップケーキを探しに行くネズミのパズルもあります。そこには複雑な図があって、約1000個のルールが書かれているのですが、最後のルールが「パズルを解くには、すべてのルールを破らなければならない」というものだったりします。つまりAIモデルは、その指示を言語的に理解できなくてはいけないわけです。極めて高度な言語レベルですよね。その問題をどう解決するか計画を立てる必要もあります。
仮にそんなAIがあって、しかも私が「人間らしいやり方」と呼ぶ方法でそれを実行できたら、と想像してみてください。ルールを理解し、「よし、1行目に1、2、3、4、5、6、7、8、9と試そう。2行目には2、3、4、5、6、7、8、9、1。おっと、うまくいかなかった。次のパターンを試してみよう」と考えるアルゴリズムを作れるでしょう。でも、それは「思考を学んでいる」とは言えませんよね。このプロジェクトの目的はそういうことではないのです。人間が実際にどのように推論するか、その本質に迫ろうとしているのです。


