━━ライオンさん、お二人の思考からどういったインサイトを得られたのでしょうか? 一方でマークさんとサイモンさんは、AIがあなた方の思考を分析したことにより、自分自身について何か学んだことはありましたか?
ライオン:残念ながら、動画のデータを処理するのに想定よりも時間がかかってしまいました。マークとサイモンが動画内で言っていることをAIで書き起こすだけでなく、彼らの推論を文字どおりコピーしたり、行動を抽出したりしたのですが、それがかなり難しかったのです。そこにほとんどの労力を費やし、モデリングもいくらかがんばりました。そういうこともあり、独自モデルは存在しますが、まだ公開できる状態にはありません。
でも、彼らが動画内で話していたことすべてを取り上げて、最新の言語モデルに投入したときは面白かったですね。最新の言語モデルはパズルの解き方ではなく、マークとサイモンを模倣して話すことを学習していたのです。そのテキストが読んでいて、とても面白かったんですよ。
彼らの話しかたのクセを捉えていました。パズルを解いている途中で突然止まって、「おい頼むよ、マーク。どうしたんだ?」と言い出すことがありましてね。マーク本人が動画の中でそう言うことがあるんです。サイモンはたまに「Thingy thing(何々)」という言葉を使うのですが、解析に使っていた言語モデルが、パズルの中で突然「Thingy thing」について話し始めたこともありました。サイモンが、AIが自分のことを真似しているところを見るのは最高でしたね(笑)。「すごく奇妙な気分だ」と話していましたよ。「まるで自分の意識を読まれているようだ」と。
マーク:ライオンが私の話し方のクセの一例を送ってくれたときのことです。例文を読んで、「こんなこと言った覚えはないんだけどな」と首を傾げていました。すると、メールの冒頭に「この文章は、あなたのふだんの話し方にもとづいてAIが生成した一例です」と書かれていることに気づいたのです。あまりにも正確に特徴を捉えていたので参りましたね(笑)。
ライオン:それが今回の進展で、二人の反応を見て楽しんでいましたよ(笑)。
━━お二人の集中力や周辺視野の認知能力についても分析できたら面白いでしょうね。サイモンさんは動画の中で、パズルを解きながら周囲の状況についてコメントすることがあります。「カササギの鳴き声がやかましい」とか、「近くを飛行機が飛んでいる」とか(笑)。
ライオン: 突然、AIが「Maverick(マーヴェリック)」について話し始めたこともありましたよ。状況はよくわからないのですが、どうも動画を撮影したときに外を飛行機が飛んでいたようで、「マーヴェリックが飛び回っている。彼に手を振ってからパズル解きに戻ろう」みたいな感じで(笑)。
サイモン:マーヴェリックは映画『トップガン』から拝借した私の持ちネタなんです(笑)。
マーク:サイモンは飛行場の近くに住んでいて、飛行機の騒音に悩まされているんです。私も、撮影場所の近くで工事が行われていて、日中にドリルの音がしたりしました。気が散りますが、視聴者にも聞こえているのでそのことに触れずにはいられないんです。解析作業では煩わしいコメントだっただろうなと思います(笑)。


