WSJの見解は?
WSJおよびマードックは、トランプに対して広範な証拠の開示を求める意向があるかどうかについて、一切コメントしていない。また、法的主張を詳述した書面もまだ裁判所に提出していない。WSJの親会社ダウ・ジョーンズの広報担当者は声明で、「当社の報道の厳密さと正確性には全面的な自信がある」と述べて、「いかなる訴訟に対しても断固として争うつもりだ」と付け加えた。
名誉毀損訴訟の決着までにかかる時間
この訴訟が証拠開示の段階に進んだ場合、文書が公開されるまでに数年がかかる可能性がある。その後、証拠開示が終了すれば、本格的な審理に進み、名誉毀損があったかどうかを陪審が判断するようトランプ側は求めている。ただし、裁判所が訴訟の棄却を決定したり、WSJ側がトランプと和解に至った場合には、より早期に決着する可能性もある。
トランプは、この訴訟に勝訴した場合にWSJに100億ドル(約1兆4700億円)の損害賠償の支払いを求めている。
トランプがエプスタインに送った手紙の内容は?
WSJの報道によると、トランプがエプスタインに送った誕生日の手紙には、トランプとエプスタインの想像上の会話が記されていた。内容は以下のとおり。
(ナレーション):人生には、すべてを手に入れること以上の何かがあるはずだ。
ドナルド:ああ、ある。でもそれが何かは教えないよ。
ジェフリー:僕も教えないよ。僕もそれが何か知っているからね。
ドナルド:僕らには共通点があるよ、ジェフリー。
ジェフリー:確かに、今思えばそうだね。
ドナルド:謎めいた存在は歳を取らない。そう思わないか?
ジェフリー:実はこの前会ったときに、それがはっきりわかったよ。
ドナルド:友達というのは素晴らしいものだ。誕生日おめでとう。毎日がまた1つの素晴らしい秘密になりますように。
WSJはこの手紙の全文を公開しておらず、トランプはこの手紙の存在や、自身が添えたとされるイラストについても強く否定している。「絵なんか描いたこともない」と彼は述べている。
訴訟の「証拠」は公開されるのか?
トランプによる名誉毀損訴訟は、エプスタインの共犯とされたギレーヌ・マクスウェルが、エプスタインを告発したバージニア・ジュフリーを名誉毀損で訴えたことに続くものだ。この訴訟では、マイアミ・ヘラルド紙が裁判所に対し文書の開示を請願し、それが認められた結果、エプスタインとその関係者に関する多数の文書が公開された。
エプスタインの性的虐待疑惑を最初に暴いたマイアミ・ヘラルド紙の記者ジュリー・K・ブラウンは、両訴訟の類似点に言及し、18日にSNSで次のように述べた。「私たちは、エプスタインとマクスウェルの人身売買の実態を明らかにするために、文書の開示を求めて訴訟を起こした。トランプの訴訟は、彼とエプスタインの関係の深さを知る手がかりになるかもしれない」。
名誉毀損訴訟で提出される証拠は、通常「非公開」扱いとなり、一般に公開されない。しかし、WSJや他の報道機関などが裁判所に対し、これらの文書を非公開から公開に切り替えるよう要請することは可能だ。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙によれば、連邦法では、情報を非公開のままにするための「正当な理由」(たとえば営業秘密の保護など)を当事者が提示できない限り、その情報は公共の利益に寄与するものとして公開されるべきだとされている。また報道機関は、特に注目度の高い訴訟では、公共の利益を理由に記録の開示を求めてきた。
マクスウェルがジュフリーを訴えた訴訟や、投票機会社ドミニオン・ボーティング・システムズがFOXニュースを訴えた名誉毀損訴訟でも同様のことが起きた。2023年に数多くのFOXニュースの幹部や記者らのやり取りを記録した文書が開示されたのは、NYTなどの複数のメディアが開示を求めた結果だった。


