資金提供とAI技術で非営利・営利団体を支援
「私たちは社会貢献とテクノロジー分野が転換期にあるという共通認識を持っており、今こそ団結して物事を先に進める好機だと考えた」と語るのは、バルマーの慈善団体、バルマー・グループの技術・データ戦略責任者を務めるケビン・ブロマーだ。
NextLadder Venturesは、今後の7年間で初期の10億ドル(約1470億円)を、非営利および営利組織の支援に充てる計画だ。資金提供の形式は、助成金や株式投資、融資などの組み合わせとなる。また投資や融資によって得られた利益は、すべて慈善目的に再投資される。
NextLadder Venturesは、まだ具体的な出資先を決定していないが、設立者たちが個別に支援してきた、あるいは支援を検討した組織がその候補に挙げられる。たとえば非営利団体CarePortalは、困窮する子どもや家族を、地元の支援団体につなぐプラットフォームを開発しており、子どもが養護施設に送られるのを防ぐための支援を行っている。また、営利スタートアップのRasa-Legalは、通常の10分の1程度の費用で犯罪歴を抹消するテクノロジーを提供している。
またAnthropicは、NextLadder Venturesの支援先の組織に、AIの処理能力や技術支援を無償で提供し、その活動を支援する。
スケーラビリティに加え、市場性を備えたエコシステムをテクノロジーによって形成
NextLadder Venturesは、今後15年をかけて新たな慈善パートナーを加え、追加の資金を調達する計画だ。同時に、公的・民間の資金提供者にも支援を呼びかける。これによって、低所得層の米国人、ソーシャルワーカー、法的支援を行う弁護士、その他の不可欠なサービス提供者が直面する深刻な経済的障壁を乗り越える支援を確立しやすいよう、大勢が使用できるだけのスケーラビリティ、投資家を呼び込める市場性を備えたエコシステムをテクノロジーによって形成を促すことも目指している。
そして、すべてが計画通りに進めば、15年後には外部資金の流入によってNextLadder Ventures自身の投資負担が軽減され、その時点で同団体の理事会がその後の在り方を再評価することになる。
なお、NextLadder Venturesの取り組みの成否にかかわらず、5人の富豪は、それぞれの慈善団体を通じて、貧困層の経済的地位向上を目的とする支援を今後も続ける可能性は高い。実際、5人のうち3人はフォーブスが2月に発表した「米国の慈善活動家ランキングトップ25」に名を連ねており、ゲイツが2位、バルマーが8位、コークが25位に入っていた。


