7月も下旬に入った。今週は、夜明け前と日没後の空で月と惑星が織りなす絶景に注目だ。週の前半は、明け方の東の空に浮かぶ細い月が、まず金星やおうし座の1等星アルデバランと共演し、続いて木星とランデブーする。ほのかな「地球照」の光も見逃さないようにしたい。新月を挟んで、週後半には西の空に細い月がかかり、火星と出会う。
2025年7月22日~28日の1週間の星空の見どころを紹介しよう。
7月23日(水):月、金星、アルデバラン、木星
日の出の約45分前に早起きすると、東の低空に極細の月が浮かび、金星、木星、アルデバランと美しいパノラマをなしている。新月を迎える前の月を観察できる最後の朝だ。糸のような月は見つけるのが難しいが、東東北の地平線近くに木星を探して、これを目印にしよう。月は木星のすぐ上にある。ただし、見晴らしのよい場所と晴れた空が観察の条件となる。
月の右上には明けの明星・金星が輝き、その先に1等星アルデバランがオレンジ色の光を放っている。アルデバランの上方にはきらめくプレアデス星団も見える。

7月26日(土):華奢な月
新月の翌日、最も繊細な夕月の姿を見る絶好の機会が訪れる。日の入り30分後に西の地平線付近をよく探すと、ほっそりとした月齢1.3の月が見えるはずだ。雲のない空と、おそらく双眼鏡が必要だ。
7月27日(日):三日月とレグルス
より見つけやすくなった三日月が、しし座の1等星レグルスに接近する。日没の約45分後に西の低空を見ると、レグルスの左上に三日月が浮かんでいる。レグルスは地球から約79光年の距離にあり、青白く輝く高温の星だ。古代ペルシャでは4つある「王家の星」の1つとみなされていた。

7月28日(月):三日月と火星
やや明るさを増した月が、宵の西の空で前日より高い位置にかかる。左上には、盛りを過ぎたとはいえまだはっきりと明るい火星が輝いている。月の影の部分は「地球照」の幽玄な光をまとっているだろう。肉眼でも見えるが、双眼鏡を使うとより詳細に観察できる。




