北米

2025.07.22 11:00

米国唯一のレアアース鉱山、国防総省が筆頭株主に 安保強化へ一歩

米空軍のF-35ステルス戦闘機。2023年3月31日、フロリダ州レイクランド(Wirestock Creators/Shutterstock)

とはいえ、投資も必要だと強調するのは、AI(人工知能)を活用したサプライチェーン(供給網)管理サービスを提供する米エグジジャー(Exiger)のブランドン・ダニエルズCEOだ。

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「重要鉱物は米国の防衛能力にとって死活的に大事なものです。高温環境用の特殊なエンジン部品からナビゲーション(航法)システムまで、さまざまなものがサプライチェーンの初めの段階でレアアースを必要としています」とダニエルズは解説する。「国防総省がみずからのリソースを活用して、これらの資源の持続可能で独立した供給源を生み出すことは、国家安全保障上の喫緊の課題です」

今回の4億ドルの出資については、少なすぎる、あるいは遅すぎるといった見方をすべきではない。

「ペンタゴンがこれを行うことにしたのは、この(供給)プロセスの最上流での設備投資は常に経済的に見合うとは限らないからです。米国はこれらの鉱物資源へのアクセスを加速させるべきです」とダニエルズは説く。

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レアアースをはじめとする重要鉱物分野へのこうした戦略的投資は、米国内でサプライチェーンを確保し、国家安全保障を強化していくためにきわめて重要な一歩だ。ただし、それはあくまで解決策のほんの一部にすぎない。

リチウム電池のリサイクル企業、米サーバ・ソリューションズ(Cirba Solutions)のデイビッド・クラネッキーCEOは「防衛産業は、兵器や基地運営、通信、その他の関連技術、何から何までこうした戦略物資に依存しています」と言う。「国防総省による今回の出資は、この重要市場の優先順位の高さを示していますし、この部門に緊急に対応しようという姿勢の表れでもあります。また、懸念される外国企業からの原材料輸入に頼るのではなく、国内で信頼できる供給を確立することの重要性も浮き彫りにしました」

リサイクル

レアアースなどの重要鉱物を安定して利用できなければ、米国の国家安全保障は重大なリスクにさらされる。そのためには米軍も資源の「使い捨て」を大いに改めなくはいけない。消費者向け製品の多くが埋め立て地に廃棄されているのと同じく、貴重な原材料の大部分も回収・再利用されていないのが実情だ。

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翻訳・編集=江戸伸禎

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